住宅街でも外部の視線を気にせず、明るく開放感あふれるスリット窓が特徴のシンプルな住まい

住宅街での家づくり。ご近所さんが身近にいるのは心強いけれど、プライベートな空間はしっかりと分けたいですよね。周囲に住宅が並ぶ「彦根の家」は、窓の数を抑えた上、スリット窓を採用することで外部からの視界が気になりません。室内の明るかさが気になるところですが、外観とは一変、様々な工夫によって明るく開放感のある住空間となっています。設計を担当したのは建築デザイン事務所 studio blueprint代表の井本将太。独自の視点による遊び心がもたらす、自由で楽しい暮らしづくりを特徴としています。

スリット窓が印象的なシンプルな外観

落ち着きのあるグレージュの外壁が特徴の建築。車道に面した北側には窓は設けず、南と西側に2個、東側に3個あるスリット窓が唯一のアクセントになっています。

コートも隠せる大きな収納が嬉しい玄関

玄関には大きな収納を設置。

棚の高さに変化を持たせることでシューズのみならずレインコートや羽織などの衣類も収納することができます。

散りばめられた工夫によって光あふれる明るいLDK

玄関先の廊下を進むと現れるのが広々としたリビング。左手側のスリット窓から差し込む光に加え、テレビ台上部に間接照明を設けることで明るい雰囲気となっています。

また、リビングの一部は小上がりになっており、引き戸を開くと和室となっています。

フロアの中心部にありながらも引き戸で開閉式にすることで、落ち着いた空間となっています。

リビング後方にはダイニングキッチンがあり、屋根に設けられた天窓によって柔らかな光が広がり、開放感のある空間となっています。

ダイニング上部を吹き抜けにすることで窓がなくとも閉塞感がありません。

キッチンカウンターをダイニングと隣接させることで料理や片付けなどの作業中でも家族とのコミュニケーションを楽しむことができます。

キッチン奥には大きな収納を設置。

こちらの収納にはカウンターの内側外側の両方から入れるよう引き戸が2つ付いているため、必要な時にはカウンターでの作業を邪魔することなく活用できます。

天窓からの光を最大限に活用した2階部分

ダイニングキッチン後方の階段から上がる2階には、2つの子ども部屋と寝室が1つ配されています。

階段脇の吹き抜けに接するフロアの一部を幅の広いデッキ調にすることで天窓からの光を最大限に活用できる上、隙間部分も透明な材で補強することで安全性も確保しています。

廊下上部にも天窓を設けることで光を取り込み、白壁によってより明るく拡散しています。

寝室にはスリット窓に加え高窓を採用し、天窓からの明かりを部屋に取り込んでいます。天井面に近い壁面に設けられるこちらでは、プライバシーを確保しながら光を取り込める上、高い窓の位置から光が入ってくることで、部屋の奥まで光が届くような効率的な採光が可能となります。

浴室も2階に配置。脱衣所にも天窓を設けることでカラッとした明るい印象の空間となっています。

外観からは想像できない明るく開放感のある心地の良い住空間

一見閉塞感のある窓の少ない外観ですが、天窓や高窓、吹き抜けなどの工夫のある構成によって明るく開放感のある空間となっています。プライバシーを確保しながらものびのびと暮らせる居心地の良い住宅は、都心はもちろん郊外の住宅地での家づくりの参考になりそうです。