建築家・柳瀬真澄が手掛けたフロアごとに異なる空間が生活を楽しくする3階建ての住宅「S邸」
福岡県を拠点に活動する建築家・柳瀬真澄。九州の住宅を中心に様々な建築物を手掛けています。「S邸」は鹿児島で柳瀬真澄が手がけた夫婦2人暮らしのための小住宅。居住空間に加え、ガレージスペースや屋上緑地などコンパクトながらも様々な要素が詰まった魅力溢れる住宅です。
開口部の細かなデザインがアクセントになった外観
水平の屋根とグリッドで構成されたスタイリッシュな外観。外壁はハンドメイドによるタイル貼りで、シャープなデザインながらも温かみが感じられます。
炻器質の微妙な色違いと風合いを持ったタイルは落ち着いた印象ながらこだわりを感じさせます。粗面仕上げの目地材とも若干の吸水があり、晴れ、曇り、雨に濡れた時にと、シンプルな外観ながら、美しく表情を変えます。
フロアごとに様々な要素を持つ内部空間
1階には駐車場と予備室が配されています。こちらの玄関ドアや和室造作、リビングテーブル等には先代が残した屋久杉を使用し、生かしています。玄関では透けガラスからのぞく外の植栽の影で、四季の移ろいが感じられます。
2階はワンフロア全てが和室となっています。収納もあり、来客にも対応できる空間です。あたたかな光が障子越しに広がり、まるで旅館のような落ち着いた雰囲気をつくり出しています。
自然を取り込む心地のよいリビング
3階にはリビングと寝室があり、基本的な生活の全てがこのフロアで完結できます。
リビングに設けられた大きな窓からは白煙をあげる桜島、緑深い城山を望むことができます。スペースはコンパクトながらも、視界が抜け街並みが広がる空間には開放感が感じられます。
空間の変化が楽しい3階建ての暮らし
1階には駐車場と予備室、2階には和室、3階にはLDKと寝室とフロアごとに機能が分かれており、それぞれに変化する空間の印象が楽しい住まい。屋上には緑地を設け、限られた敷地ながらも暮らしが豊かになる要素が詰まっています。
フロアごとに異なる空間で暮らしが楽しくなる住まい
コンパクトながらも、1階から屋上緑地まで様々なシーンが展開する住まいとなっている「S邸」。フロアごとに印象が異なる空間によって、夫婦2人の毎日をより豊かなものにしてくれるはず。2階建てが主流の住宅ですが、3階建てならではの暮らしの楽しみ方がありそうです。
構造:鉄筋コンクリート造/敷地:108.98㎡/延床:194.71㎡