ミラノサローネ・若手デザイナーの登竜門「サローネサテリテ」で注目の日本人クリエイター3選。

ミラノササローネ・ロー・フィエラ本会場で、開催されている35歳以下の若手デザイナーの展示スペース「サテリテ」。

毎年世界中の若手デザイナーから応募があり、審査を通過した35歳以下のデザイナー達が、最高3回迄展示できる。また、学校単位での出展コーナーもある為、留学先のリサーチにも良いかもしれない。現在活躍しているデザイナー達も、サテリテに出展して企業からの依頼を受けたケースも少なくない。

形や質感、色使いが綺麗な横関亮太の新作

今年3年目で最後のサローネサテリテ参加となる横関亮太の新作は、陶器のフィルターを使用したアロマディフューザーと青白磁のアメニティグッズ、鉄フレームのシェルフの三本立てだ。特に目を引くのが、飛騨高山の伝統工芸である渋草焼きの陶器のフィルターを使ったアロマディフューザーだ。他のシェルフやアメニティグッズなどのように美しい形をしているばかりでなく、質感や色使いが非常にユニークで機能を鮮やかに表現しているように感じた。

テキスタイルデザイナー・氷室友里による新作「BLOOM」

昨年のサローネサテリテでハサミで切る行為を取り入れ、テキスタイルと人の関係をデザインしたテキスタイル「SNIP SNAP」を発表したテキスタイルデザイナー・氷室友里。今年は織の構造から練られたデザインで、柄が表と裏で柄が異なる「BLOOM」を発表。例えば花と葉、茎などをテクスチャーの違いで表現しつつ、それぞれの肌触りの良さで最適化されている。デザインの通り、日常の中に花を添え鮮やかな生活空間にしてくれるだろう。

デザインと機能性のバランスが絶妙な渡辺佑介の新作

2年目となる渡辺佑介のブースは、ミニマルなデザインの新作を発表する統一感がある空間になっていた。新作は「Tet.」と「Parachute」、「V」の3つ。「Tet.」は、小さい幾何学模様の単位を組み合わせてつなげていくことができ、空間を作っていくラグである。「Parachute」は、壁面にモノを置く感覚で落ちないようにデザインされたプロダクトである。また、「V」は折り曲げた鉄板を使ったフックだ。どれもがデザインと機能性のバランスが絶妙で、洗練されているし生活空間に馴染むプロダクトだろう。

 

近年はアジアからの出展も目立ち、今年の特徴は1組で2ブース借りての出展が目立ったことと、オランダ、中国等が、数チームでまとめて出展し、数ブースできちんとしたディレクションで魅せていたことが見受けられた。

そんな中でも今年も日本人の活躍を見る事が出来た。