フランク・ロイド・ライトによる水平に広がる直線が美しいプレーリースタイルの傑作「ロビーハウス」
ロビー邸は、フレデリック・C・ロビーのために1908~10年にライトが設計した個人宅。フランク・ロイド・ライトらしい水平が強調されたデザインの代表作ともよばれるこちら。ライトの出身地ウィスコンシン州の草原に溶け込むようなどっしりとした安定感があります。これがのちに多くの建築家へ影響を与え、プレーリースタイル(草原様式)と呼ばれています。ライトは日本文化、住宅の影響を受けたと言われており、その後、独自のアメリカンスタイルを確立してゆきました。今回はこちらのライトの建築の特徴がわかりやすく体感できるロビー・ハウスをご紹介します。
水平に伸びる直線が特徴の「ロビーハウス」
外観での注目は「壁のレンガ」。ロビー邸に使われているレンガは他の家で使われているものと比べ、細く長いのが特徴。
さらに縦目地はモルタルをレンガに近い色で塗ることで、レンガとレンガの継ぎを目立たなくさせ、ひとつの線が続いているように見えます。この水平を強調させたデザインも、プレーリースタイルの特徴です。
モダンでおしゃれなインテリア
ロビー邸は3階建てで、玄関からリビング、ダイニング、寝室、子供部屋と見学できます。
随所にみられる和風の要素たち
驚くのは、アメリカ邸宅のなかに漂う日本らしさ。
実はライトはロビー邸を設計する5年ほど前に日本を訪れていて、格子やキャビネットに和のテイストを取り入れています。
和風の設いに加え、窓の装飾や独特の赤色などライトの建築によくみられる要素が多く見られます。
木を使って連続する意匠は、プレイリースタイルの横の広がりをさらに強調しているよう。
ラジエーターを隠すガラリも日本的な雰囲気が感じられます。
細部までのこだわりで生み出される空間の統一感
造り付けの家具や小物にも色味や装飾をリンクさせており、インテリアが作り込まれていることがわかります。
バスルームにも木が用いられており、空間の統一感が感じられます。
高めの天高で広がりを感じる最上階
最上階となる3階は、天井高を低く抑えた2階から階段を上がると寄棟の屋根のままの天井になっていて、より天井を高く感じることができます。
ホテルライクな寝室は木の落ち着いた風合いもあり、ラグジュアリーな雰囲気に。3つにわかれた窓から差し込む光で日中は明るく、夜は心地よい灯りでゆったりと過ごせそうです。
まとめ
「ロビー・ハウス」は、フランク・ロイド・ライトの特徴や良さが全て詰まっているような住宅です。特に2階のダイニングやリビングスペースは、建築だけでなく家具や装飾まで徹底されたデザインを感じることができ、外観はもちろん内装に至るまでフランク・ロイド・ライトのこだわりが伺えます。
Frederick C. Robie House – ロビー・ハウス
開館時間:10:00~15:00
休館日:火・水曜日
URL : http://www.flwright.org/visit/robiehouse
住所:5757 S Woodlawn Ave, Chicago, IL 60637 USA