建築家 加藤匡毅が手がけるSANU 2nd Home、独自建築モデル第6弾「HIKE(ハイク)」

シェア別荘サービス「SANU 2nd Home」が、新たなオリジナル建築シリーズ第6弾として発表したのが、建築家・加藤匡毅(Puddle)設計の新モデル「HIKE(ハイク)」です。舞台は軽井沢。都市のスピードをいったん手放し、自然のリズムに身を委ねる——そんな時間の質を、空間のつくり方そのものから立ち上げていく試みが、この建築には込められています。

HIKEという名前は、ハイキングの途中でふと立ち止まり、光や風の変化に気づくような感覚に由来します。目的地へ急ぐ日常から一歩距離を取り、窓の向こうに広がる遠景と、足元に続く暮らしの気配、その「あいだ」に身を置く。そこで生まれる小さな気づきや会話を、また都市の日常へ持ち帰る——建築が、滞在の“器”にとどまらず、暮らしの感度を更新する装置として設計されています。

4つのスキップフロアがつくる、つながりと距離感

HIKEの核にあるのは、2階建ての構成に4つのスキップフロアを組み込んだ立体的な空間体験です。壁で細かく区切るのではなく、高低差で緩やかにつなぐことで、どのフロアにも自然な居場所が生まれる。

スキップフロアを横から見た構図 | ©︎Masaki Kato

家の中の小さな上り下りは、移動そのものを“ハイキング”のような道中へ変え、視点が一歩ごとに更新されていきます。

この高低差の連続は、同じ空間にいながら「互いの気配は感じるのに、必要な距離は保てる」という、独特の居心地をつくります。

スキップフロアを上から見た構図 | ©︎Masaki Kato

遠景を捉える大開口や、南からの光を拾う出窓など、フロアごとに異なる自然の表情と出会えるのもポイント。滞在中に“眺め”が単調にならず、時間の流れに寄り添うように景色が変わっていきます。

中心にダイニング。食が人を集め、暮らしがひらく

空間の中心には、キッチンとダイニングが据えられています。食を囲む時間が自然と人を集め、会話や気配が生まれる——家の原風景を、建築のコアとして置く考え方です。リビング的な“正面”をあえて固定せず、食卓から滞在がひらいていく。家族や仲間同士で過ごす時間の重心を、もっとも生活感のある場所に置くことで、非日常の演出よりも「日常の延長として続けられる滞在」へと寄せています。

全棟Largeタイプ。6人でも“ゆったり”が前提のスケール

HIKEは、全棟がLargeタイプ。室内は約79㎡に加えバルコニー約10㎡を備え、最大6名まで宿泊できるスケールで計画されています。家族や友人との滞在でも手狭さを感じにくく、「みんなで過ごす」と「それぞれが籠もる」を両立しやすい。さらに一部客室にはプライベートサウナを備え、犬同伴可タイプも用意されるなど、滞在の選択肢が細やかに組み立てられています。

間取りは1R(スキップフロア)という潔さ。部屋数で機能を分解するのではなく、立体的な段差と視線の抜けで、過ごし方のバリエーションをつくる発想です。滞在がイベント化しすぎないからこそ、季節ごとに通い、時間を積み重ねる“もうひとつの拠点”としての輪郭がはっきりしてきます。

第一弾は軽井沢。浅間山の稜線と、足元の田園風景

HIKEの第一弾となる舞台は軽井沢。駅から車で15分程度のアクセス性を持ちながら、目の前に浅間山が広がるロケーションだといいます。北側の大開口が捉える浅間山の稜線は、朝の光や雲の流れとともに表情を変え、滞在の時間にゆっくり溶け込む。遠景の雄大さと、足元の暮らしの気配が同居する静けさが、建築の体験価値として設計に織り込まれています。

外装には、経年変化を楽しめる長野県産の杉材を採用。時間とともに色味が深まり、風雨や光を受けて表情が変わり、土地に“馴染んでいく”素材です。庭は、浅間山周辺の植生遷移の歴史を下敷きに、十数年かけて風景が育っていく「時間を育てる庭」として計画。完成がゴールではなく、季節と年月の中で少しずつ整っていく余白を、ランドスケープにまで拡張しています。

共用部が「もうひとつの居場所」になる

家族同士や仲間の時間をゆるやかにつなぐ場所として、共用の焚き火台・広場・ハーブガーデンエリアを新設する計画も示されています。室内で完結させず、外へにじみ出るように居場所を散らすことで、滞在の密度に呼吸が生まれる。自然の中で過ごすひとときに、選べる“間”が増えることは、長く通う拠点にとって大きな価値になります。

建築家 | Puddle 建築家・加藤匡毅

経歴:一級建築士。工学院大学建築学科卒業。
隈研吾建築都市設計事務所、IDEEなどを経て、2012年にPuddle設立。現在、同事務所代表。
その土地で育まれた素材を用い、人の手によってつくられた美しく変化していく空間設計を通じ、そこで過ごす人の居心地良さを探求し続ける。これまで15を超える国での建築・インテリアを設計。
主な作品に「% ARABICA 初期30 Stores design」「DANDELION CHOCOLATE Japan/USA」「Sequence Miyashita park」「AGNÈS B. JAPAN Head office」「SANU LOFT SKY」など。 著書「カフェの空間学 世界のデザイン手法」
「カフェの設計学 計画とディテール」学芸出版社

販売はCo-Ownersで2月28日開始。完成は2026年冬予定

HIKEは、共同所有型セカンドホームサービス「SANU 2nd Home Co-Owners」にて、2026年2月28日(土)より「HIKE 軽井沢」として販売開始予定とされています。Co-Ownersは「資産としての別荘」というより「暮らしの拠点」として自然の中に家を持つ、新しい所有のかたちを掲げ、必要な分だけ購入し、全国の拠点を相互に使える仕組みが特徴。維持管理の手間を抑えつつ、ハイシーズンでも優先的に予約でき、家族や友人とのシェアもしやすい設計だといいます。

なお、HIKE 軽井沢の完成は2026年冬を予定。建築のコンセプトが語る「時間を育てる」という姿勢は、素材やランドスケープだけでなく、通いながら暮らし方を整えていく体験そのものにもつながっていきそうです。都市と自然を往復するライフスタイルが一般化するいま、“もうひとつの家”がどんな空間であるべきか。そのひとつの回答として、HIKEは建築のレベルから提案を始めています。

HIKE(ハイク)/HIKE 軽井沢

  • 販売開始:2026年2月28日(土)(SANU 2nd Home Co-Owners)
  • 客室数:7室(通常タイプ4室/犬同伴可タイプ3室)
  • 延床面積:79.14㎡+バルコニー10.23㎡(サウナ1.80㎡)
  • 間取り:1R(Skip Floor)
  • 最大宿泊人数:6名
  • その他:一部プライベートサウナ付き
  • 設計・実施設計:Puddle(建築家:加藤匡毅)
  • 構造:木造(構造設計:エヌ・シー・エヌ)
  • 施工:松代建設工業
  • ランドスケープデザイン:グリーンワイズ
  • インテリアデザイン:Puddle

URL:https://www.sa-nu.com/lp/co-owners/2602-01