
ミラノデザインウィーク2025 でイヴ・サンローランはシャルロット・ペリアンの名作家具を復刻!
ミラノデザインウィーク2025で、イヴ・サンローランはモダンデザインの巨匠、シャルロット・ペリアンの伝説的な家具を現代に甦らせました。クリエイティブディレクター、アンソニー・ヴァカレロの監修のもと、試作品やスケッチとして存在した4つの名作が忠実に復刻され、限定版として発表。
イヴ・サンローランがシャルロット・ペリアンの伝説を現代に甦らせる
2025年ミラノデザインウィーク期間中、ファッション界の巨匠イヴ・サンローランが、モダンデザインの先駆者として知られるシャルロット・ペリアンとの異色のコラボレーションを発表し、ミラノの地で大きな話題を呼びました。クリエイティブディレクター、アンソニー・ヴァカレロの監修のもと、ペリアンが手がけた歴史的な名作家具が現代に忠実に再現され、限定版として蘇りました。
この展示は、ファッションブランドが単なる衣服の創造に留まらず、デザイン、アート、文化といった広範な領域にその影響力を拡大している現代の潮流を象徴するものでした。シャルロット・ペリアンのデザインは、自然素材と機能性の融合を特徴とし、時代を超えた美しさと実用性を兼ね備えていることで今なお世界中のデザイナーやコレクターから高く評価されています。イヴ・サンローランによる今回の復刻プロジェクトは、ペリアンの卓越したデザイン哲学を改めて現代に提示し、過去の遺産を未来へと繋ぐ役割を果たしました。
時を超えて蘇るシャルロット・ペリアンの名作家具たち
今回のミラノデザインウィークでイヴ・サンローランが復刻したのは、シャルロット・ペリアンが生前に試作品やスケッチとしてのみ存在していた、あるいは希少性の高い名作家具4点です。その中でも特に注目を集めたのは、1962年デザインの「Bibliothèque Rio de Janeiro」と1967年の「Banquette de la Résidence de l’Ambassadeur du Japon à Paris」でした。
「Bibliothèque Rio de Janeiro」は、高さ260cm、幅455cmという迫力あるサイズと、ブラジルの伝統的なクラフトワークを取り入れた籐編みのスライド扉が特徴で、過去にわずか数回しか展示されたことのない幻の逸品です。
一方、「Banquette de la Résidence de l’Ambassadeur du Japon à Paris」は、パリの日本大使公邸のためにデザインされた全長7mを超える5人掛けソファで、座面が宙に浮いているかのような浮遊感のあるデザインと、タイシルクのテキスタイルが融合した優雅な作品です。
さらに、インドシナ滞在中にデザインされたコンパクトなアームチェア「Fauteuil Visiteur Indochine (1943)」や、技術的な困難から長年実現しなかった10層構造の独創的なテーブル「Table Mille-Feuilles (1963)」も、最新の技術によって忠実に再現され、限定生産されました。これらの復刻コレクションは、シャルロット・ペリアンの創造性と革新性を再評価するとともに、彼女のデザインが持つ普遍的な魅力を現代に伝える貴重な機会となりました。
イヴ・サンローランが提示する「デザイン思考」の新たな形
イヴ・サンローランは、創業以来、ファッション業界のみならず、より広範な文化領域において影響力を持つブランドとして君臨してきました。今回のシャルロット・ペリアンとのコラボレーションは、そのブランドDNAを新たな方法で表現し、サンローランの世界観をさらに拡張する試みの一環と位置づけられます。近年、サンローランは映画制作を担うサンローランプロダクションがカンヌ国際映画祭で受賞作を輩出したり、ライフスタイルプロダクトライン「サンローラン リヴ・ドロワ」がパリとロサンゼルスに実店舗を構え、書籍、ヴィンテージアイテム、音楽、アート、パフォーマンスなど多岐にわたる文化的な取り組みを展開しています。今回の家具復刻プロジェクトもまた、単なる商業的な活動に留まらず、デザインという普遍的な言語を通じて、過去の遺産を現代に再解釈し、未来へと繋ぐというサンローランの「デザイン思考」を明確に示しています。
ファッションを越えた表現を拡張するイヴ・サンローラン
イヴ・サンローランによるシャルロット・ペリアンの名作家具復刻は、ミラノデザインウィーク2025のハイライトの一つとなりました。このプロジェクトは、単なる過去の再現に留まらず、サンローランがファッションを越え、デザイン、アート、文化全体を拡張する「デザイン思考」を明確に示しています。