閑静な高級住宅街に突如現れる森!隈研吾らしい木組みの建築「サニーヒルズ南青山」

南青山の住宅街を歩いていると、大きな木組みの建築「サニーヒルズ南青山」が突然姿を現します。2013年に隈研吾によって設計されたこの「サニーヒルズ南青山」は、台湾の有名なお土産である「パイナップルケーキ」の名店「微熱山丘(サニーヒルズ)」の日本での支店です。都会の中の森というイメージで、とデザインの設計を依頼された隈研吾は、枝と枝が支え合うように斜めに木を組んだ造形でパイナップルをモチーフにデザインしました。

日本の木工技術、地獄組みで建てられた都会の森

サニーヒルズ南青山
建築物に本格的に使用される例は極めて少ない

一見、竹籠に見える外観は日本の木工技術、地獄組みで建築されました。地獄組みとは釘や接着剤を使わず木材の交差部をがっちりとかみ合わせており、一度組むと木を破壊するか切断をしないと二度と取り外すことができません。

サニーヒルズ南青山
地下1階、地上2階として扱われ、エントランス部分は地階扱いになっています

このプロジェクトでは30°の角度を用いて3次元で木を立体的に組むことによって、1つの部材の断面寸法を60mm×60mmにまで細かくすることに成功しています。これらの技法により雲のような、森のような構造体を造ることが可能となりました。

職人技が光る木組み

サニーヒルズ南青山
隙間からの光が森の中にいる感覚をより強めていきます。

岐阜県東濃地方の大工らが泊まり込みで取り組んだ木組み部分は、工期1年の内木組み部分に4か月を要しました。下層から順に1層約1か月を要し、製作図は1,000ページを超えました。東濃産の檜を店内外に贅沢に使用しているので、店内には檜の落ち着いた香りが溢れています。

店内はまるで本当の森の中にいるよう

サニーヒルズ南青山
2,3階ではお客様をもてなすカフェスペースとなっており、無料でお茶とパイナップルケーキを頂けます。

隈研吾は店内において、細い木の重なりで木漏れ日が入るような設計を考えました。店内は木組みの隙間から木漏れ日が差し込み、まるで森の中にいるような感覚となり人々の心を落ち着かせています。

サニーヒルズ南青山
店内でも地獄組みを見ることができます

店内には柱がなく店中の梁は外まで続いており、中と外の空間がまるで1つになっています。店内の建具や間仕切りも、地獄組みをモチーフとしたデザインで統一されています。

日本で一番洗練された街の中の静かな森

訪れる人に強烈な印象を与える「サニーヒルズ南青山」は、日本の伝統建築と洗練された街の融合として、これからも注目され続けるでしょう。

サニーヒルズ南青山

住所:〒107-0062 東京都港区南青山3丁目10−20
電話番号:03-3408-7778
営業時間:11:00~19:00
URL:https://www.sunnyhills.com.tw/index/ja-jp/