現代社会でも「スローライフ」が可能?!ミニマムと“ 質の高さ” がゆとりを生むサスティナブルな住宅「casa sole」

ローライフとは、読んで字のごとく「ゆっくり生活する」という意味。のんびりと過ごしながら、人生を楽しみ、生活の質を高めようとすること。今回はそんな「スローライフ」が提唱する“質”の高い暮らしとは何かにつてまとめてみた。

「心地よさ」や「穏やかさ」生活の “ 質 ” を追求したスローライフ。

1980年代後半イタリアで手軽で便利なファーストフードに対して生まれた考え方「スローフード」。その地域の食材を使用し、伝統的な食材や料理方法を守り、質のよい食品やそれを提供する生産者を守る、安全かつ食卓を楽しむという食のムーブメントになった。

「食生活や食文化を根本から考えていこう!」という食の立場から投げかかけた疑問は “ 生活 ” という大きな枠組みで見直され今日の「スローライフ」という考え方が生まれた。

スピードと効率、経済優先の現代社会に疑問を投げかけた「スローフード」から「スローライフ」へ。

一見すると現代社会に反しているようにも思えるが、効率やスピードを重視した経済優先だけが “ 幸せ ” ではなく、スピードを落とすことで見えてくる自分自身にとって本当の意味での楽しさや、ココロの豊かさを追求すれば、忙しなく動くことだけが重要ではないのではないかと言うのが「スローライフ」の考え方だ。

「casa sole」が取り入れている「パッシブハウス」という思想も、今だけを考えてエネルギーを消費するのではなく、先々のことも考えて家を建てたり、エネルギーを使っていきませんか?という、アクティブに対して緩やかなエネルギー消費を促している点では共通している。

他にも「スローライフ」同様、地域や自然の素材を使用し、伝統的な工法を守り、質のよい建材やそれを提供する技術者を守ると言ったことが結果的に、経済にも住まう人の心の豊かさにもつながるのではないかという考える。

長い目でみた時の豊かさとは?

最近では、「スローライフ」と同様に「ミニマリスト」がブームになりつつある。

ミニマムといっても決して質素な暮らしを推奨しているわけではなく、溢れかえるモノや、それを維持するために仕事に追われるように働き、時間や人生を犠牲にして「本当にそれで幸せ?」という「スローライフ」と同様の考え方が根本にある。

また、何を選んでいいのかすらわからないほどモノや情報が氾濫している今、「一度本当に必要なモノだけにして何が自分にとって大切で必要か見直しませんか?」ということを推奨している。

 

「スローライフ」も、「ミニマリスト」も、「パッシブハウス」も、簡略化した中に、心や物質、両面の質の向上とバランスこそが本当の豊かさに近づくと教えてくれている。住宅も人生も長期的な視点を持ちつつ、日々の生活を丁寧に暮らしたてゆくことが、これからの現代社会に求められることなのかもしれない。