フロイデンベルクの美しい街並を構成する「木組みの家」は呼吸する有機的な建築でした。

ドイツのドルトムントとフランクフルトの間に位置するフロイデンベルグは、ドイツでは珍しいモノトーンの木組みの家が立ち並び、近年非常に注目されている街だ。

観光客にはその風景に人気が集まっているが、実は多くの建築家や職人さんなどの専門家にとっても非常に重要性が高い場所として訪れる人が多い。

今回はそのフロイデンベルグの木組みの家を訪れることができたので紹介したい。

「木組みの家」で構成された街並が美しい

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昔から残っていた木組みの家の街並は、1666年の大火で1棟のみを残し街が全焼してしまったが、その後も現在にも残る伝統的な家屋を修繕しながら使われている。

そうして残された木組みの家を、保養公園のある小高い丘から見るとその風景は圧巻だ。

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黒い木組みに漆喰で構成されるファサードは全て同じではなく一棟一棟異なり、中には直線だけでなく湾曲した木材や木組みが複雑な模様のように見える木組みの家もあっておもしろい。

200m四方のこの地域はほぼこの木組みの家で構成されていて、350年前から変わらない風景を歩いてまわることができる。

日本で言えば江戸時代真っ只中で、タイムスリップしたかのようにも思えるが、現代の生活にも十分に馴染んでいるように感じる。

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このような伝統的な街並の一軒一軒には普通に生活している家族がいて、ところどころにその生活が垣間見ことができる。

中には都会に出てもこの街に戻って来たり、フロイデンベルグの街並のファンになりこの街に移り住んだりする人もいるそうだ。

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街中には小さいながらもカフェやレストランがあり、全く同じ木組みの家の中に入っていて中は割とモダンで自由なインテリアデザインがなされている。

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ドイツらしく窓辺に花を飾っているこの建物は博物館となっている。

ローム層の粘土と木という有機的な素材を活かす

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今回、博物館でフロイデンベルグを好きになりイタリアから移住してきた建築家さんから話を伺うことができた。

彼によるとフロイデンベルグの木組みの家はローム層の粘土と地元の木を使って作られている。

そういった天然で有機的な素材を使ったこれらの住宅は湿気を吸収したり、加湿したりあるいは外部と内部とでそれ自体が呼吸していて、生きているような家だ。

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これは実際のローム層と木材のモックアップで、これらは呼吸している故に素材に伸縮性が備わっている。

実はフロイデンベルグの木組みの家は1970年代にプラスチックやセメントなどの現代的な素材を使い、間違った方法で改修が行われることが幾つかあるようで、30年も経たずに家を痛める原因になっている。

大学などで研究した彼は伝統的で有機的な素材を使い、フロイデンベルグの木組みの家の街並をこのままで保存していく活動をしている。

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博物館には100年も前から動く時計を展示していて、この街がいかに伝統を重んじてきたかが伺える。

経年変化を楽しみ伝統的なものを残していく文化

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その後、現在改修中の現場を案内してもうことができた。

ところどころ間違った改修方法が成されていて痛んでいる箇所も多く、壁を塗り替えることはもちろん柱を交換したりと大規模な改修を行っていた。

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伝統的な方法で改修が行われている木組みの家は、新築で家を建てるよりもコストがかかる。

日本では結構大きな家が建てられる値段で、それだけ伝統的なものを残していこうという文化が感じられる。

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ローム層の粘土による漆喰壁を内装にした空間が姿を表そうとしてた。

今まで350年もの間住まい続けられたように完成後も大切に使われるだろうこの空間は、その年月とともに経年変化を楽しむこともできておもしろそうだ。

 

フロイデンベルグの木組みの家は、風景が美しいことはもちろん天然素材を活かした有機的な住宅だった。

そして、そこには伝統的なデザインや技術を大切にする人々がいて成り立つことを教えてくれる。