木の奥深さを感じさせる「casa amare」の造形や香り、そして歴史。
木の香りには、なぜか人の気持ちをやさしくする効果がある。
現代的な住宅からは、木の存在感がなくなって久しいが、ここにきて徐々に
木の住宅の良さが見直されてきている。
その最先端を走るcasa amareの「木の家」へのこだわりを探ってみた。
冬は暖かく、夏は涼しい「木の家」
「日本人に心から愛される家」を目指すcasa amareの家は、木材をふんだんに使った「木の家」を基軸としている。
そのため、玄関から一歩、中に入ってみると、木の家独特の香りがする。
また、冬には家の中に入ったときにほんのり暖かく感じられ、夏だとわずかにひんやりと感じる。
木の家は、決して気密性が高いわけではないが、ひなたのような暖かさや木陰のような涼しさを室内にもたらしてくれる優しさがある。
塗装にもこだわって、天然素材を生かす
木の家を建てるうえで重要なのは、材木の質になるが、いい材木を使えばいい家が建つかといえばそうではない。
著名な宮大工の話によると「1に材料、2にデザイン、3番目が技術」なのだそうだ。
casa amareでは、地産地消を心がけ、なるべくその建築地に近い地域で育った木を使って家を建てることを大切にしている。床に使われる厚さ30ミリの天然の無垢材などは、素足でその上に立ってみると、天然素材だからこそ感じられる柔らかさが伝わってくる。
また、床の塗装にもこだわった。天然素材のもので、なめても体に害のない塗料を使い、塗ってから拭き取りまでの時間による仕上がりの色味の違いも考慮して、塗装時間も決められた。住む人にとって快適であること、と同時に、「木の家」の良さを最大限に引き出そうという意欲を、設計、デザイン、施工すべての工程にかかわる人がもっていたから、そこまでこだわりを貫くことができた。
三角窓に懸けたスタッフ、メーカーの情熱
そのこだわりが生きたのが、casa amareの特徴である三角窓だ。
2階に取り付けられた三角窓は、この家のトレードマークとも言えるもので、暗い夜空に浮かび上がる様は、非常に絵になる。家の中からこの窓を通してみる夜空の美しさが、casa amareの最大の魅力という住人の方も少なくない。
しかし、この窓、じつは正確には三角形ではない。
ただの三角形では、構造的な問題や施工の難しさなど、さまざまな問題がある。そんな中で、多くの人たちが知恵を出し合いしぼりだしたのが、この「美しい三角形を描き出すための台形」なのだ。しかし、そこは設計士や現場の職人たちの腕の見せどころ。仕上がってみれば、どこからどう見ても三角形の大きくてスマートな窓が屋根の真下にすっぽりとはまりこんでいる。
三角窓が実現できたのは、サッシメーカーの多大な協力あってのことだ。こうして、多くの人々の力を得て、casa amareは、未来に引き継ぎたい「日本の伝統的な家」を作りあげた。そして、そのコンセプトの中核にあるのが、「木の香りのする家」なのだ。
casa amareが「日本の家」に懸ける思いは、現場の人々、そしてそこに住む人々に確実に伝わっている。
50年後も100年後も、日本の家はこんなに素敵だ! とこの家は伝えてくれるに違いない。