SANAA・妹島和世が監修する、東孝光の「塔の家」と伊東豊雄の「花小金井の家」の2つの名作住宅を巡るツアー開催!
世界的に活躍する建築家、妹島和世氏が監修する建築ツアー「TOKYO HOUSE TOUR」が開催されます。このツアーでは、日本の近代建築史に残る2つの名作住宅、東孝光氏の「塔の家」と伊東豊雄氏の「花小金井の家」を実際に訪れることができます。
SANAA妹島和世が案内!東京の名建築を巡る建築ツアー開催
世界的に活躍する建築家、妹島和世が監修する建築ツアー「TOKYO HOUSE TOUR」が開催されます。このツアーの最大の魅力は、現代建築界の巨匠、東孝光氏の「塔の家」と伊東豊雄氏の「花小金井の家」という、日本の近代建築史に残る2つの名作住宅を実際に訪れることができる点です。
妹島和世氏は、2004年のヴェネチアビエンナーレ国際建築展で金獅子賞を受賞するなど、数々の賞に輝く建築家です。そんな彼女が厳選した、東京の住宅建築における貴重な2軒を、この機会にじっくりと鑑賞することができます。
これらの住宅は、単なる住まいを超えて、戦後の日本の暮らしや社会の変化を物語る貴重な文化財です。建築好きはもちろん、歴史やデザインに興味がある方にとっても、見逃せないツアーとなっています。
SANAA・妹島和世
建築家。1956年茨城県生まれ。1981年日本女子大学大学院家政学研究科を修了。1987年妹島和世建築設計事務所設立。1995年西沢立衛とともにSANAAを設立。2010年第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務める。日本建築学会賞*、ベネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞*、プリツカー賞*、芸術文化勲章オフィシエ、紫綬褒章などを受賞。現在、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学大学院Y-GSA名誉教授、日本女子大学客員教授、大阪芸術大学客員教授。主な建築作品として、金沢21世紀美術館*(金沢市)、Rolexラーニングセンター*(ローザンヌ・スイス)、ルーヴル = ランス*(ランス・フランス)などがある。(*はSANAAとして)
妹島和世よりコメント
現在の東京には素晴らしい小住宅が多く存在しています。それらは戦後、個人事業として設計を営む建築家の設計によって建てられた庶民の家です。そうした小住宅群は、戦後の東京の暮らしをいまに伝える貴重な財産でありながら、同時に日本近代建築史の中で公共建築とともに存在感を示し、日本の近代建築を象徴する存在として世界で高く評価されてきました。住宅建築がこれほど多く集まる街は、世界的に見ても東京以外にありません。
しかし現在、高齢化をはじめとする様々な理由により、そうした建築物の維持が難しくなってきています。例えば、ヨーロッパでは戦後に建てられた住宅建築の多くは集合住宅であり、それらは地方自治体によって保存されながら現在も大切に使われていますが、日本の小住宅群はすべて民間で作られたものであるために、その保存と継承の困難さが現実的に大きな問題になっているのです。そこで、そうした小住宅に新たな使い方を与え、それらを東京の、そして日本の財産として継承し、みんなで守っていけたら良いのではないかと考え、このプログラムを企画するに至りました。
今回のツアーはその1回目のテストケースとして、建築とその保存継承、そして東京の暮らし全般に関心のある方たちを対象に、東京都心に建つ住宅と、まだ自然が残る郊外に建つ住宅のふたつを取り上げます。
都市の狭小地に生まれた革新的な住宅・東孝光の「塔の家」
建築家・東孝光が1966年に設計した「塔の家」は、わずか6坪という狭小地に建てられた住宅でありながら、その独創的な設計と機能美から、日本の近代建築史に残る名作として知られています。
東京都心の限られた敷地を最大限に活用するため、地下1階、地上5階の塔状に空間を積み重ね、まるで都市の空中に浮かぶオブジェのような外観が特徴です。内部は、壁や扉を極力なくし、開放的な空間が広がっています。
「塔の家」は、都市における住まいのあり方を問い、新たな可能性を示唆する建築として評価されています。限られたスペースの中で、いかに快適で豊かな生活を送るかというテーマを、見事に形にしたと言えるでしょう。
自然と共生する空間を持つ伊東豊雄の「花小金井の家」
伊東豊雄が1983年に設計した「花小金井の家」は、東京郊外の閑静な住宅地に佇む、自然と一体化するような住宅です。この家は、伊東豊雄が提唱する「有機的な建築」を体現する代表作の一つとして知られています。
「花小金井の家」の特徴は、何といってもその自由な平面計画です。部屋と部屋が明確に分かれているのではなく、空間が連続的に広がり、住む人々の生活に合わせて柔軟に変化します。また、大きな窓からたっぷりと自然光が差し込み、室内と庭が一体となったような開放的な空間がつくられています。
この家は、単なる住まいを超えて、自然との共生、そして住む人々の生活そのものを豊かにする空間として設計されました。伊東豊雄は、この作品を通じて、人々の生活そのものを豊かにする可能性を示唆しました。
日本の近代建築史に残る名作住宅を巡る
妹島和世氏が監修する建築ツアー「TOKYO HOUSE TOUR」は、日本の近代建築史に残る名作住宅を巡る貴重な機会。東孝光の「塔の家」と伊東豊雄の「花小金井の家」という、全く異なる魅力を持つ2つの住宅を比較しながら見学できることは、建築ファンにとっては夢のような学びの機会となるでしょう。
TOKYO HOUSE TOUR
開催日時:
11月8日(金)
塔の家 9:00〜10:00/10:00〜11:00/11:00〜12:00
花小金井の家 12:00〜12:45/13:00〜13:45/14:00〜14:45
11月9日(土)
塔の家 9:00〜10:00/10:00〜11:00/11:00〜12:00
花小金井の家 12:00〜12:45/13:00〜13:45/14:00〜14:45
定員:各回10名
参加費:5,500円/軒(税込)
申し込み:https://www.artweektokyo.com/program/tokyo-house-tour/
申込締切:11月5日(火)
主催:アートウィーク東京
協力:妹島和世、東利恵
※ご希望の時間帯のPeatixチケットをお申し込みください。
※申込受付は先着順とし、定員になり次第、締め切ります。