モダンにアップデートされたアアルトデザインが楽しめるフレンチ×北欧料理のレストラン「レストラン・サヴォイ」
柔らかな曲線を持つ脚が特徴的なスツールやシンプルながら美しいフォルムを持つペンダントライトなど、温もりを感じさせる木材や有機的な曲線を多用した優しさを感じさせるデザインが特徴のアルヴァ・アアルト。彼の生み出した数多くの家具やプロダクトは、現在も多くの人に愛され、親しまれています。1937年、そんなアアルトが妻のアイノ・アアルトと共にインテリアデザインを手掛けたレストラン「サヴォイレストラン」がオープン。2020年1月に大規模リニューアルオープンを実施したものの、コロナウィルスの影響でクローズ。1937年の創業から83年を迎える2020年6月3日に営業を再開し、新たな時代へ向けて再びスタートしました。
ヘルシンキの街並みに溶け込む柔らかな空間デザイン
レストラン・サヴォイはフィンランド・ヘルシンキの中心、エスプラナディ通り沿いに立つビルの7階と8階に「ヘルシンキの街並みに親しみやすいレストランを作ること」をテーマに作られました。
自宅に居るような居心地の良いレストランの雰囲気を出すために、壁と天井には白樺の合板を使用することで柔らかな印象に仕上げています。
アルテック製品を含めアアルト夫妻のインテリアとデザインを存分に堪能できる空間は、多くのゲストに愛されるシンプルな心地よさが魅力です。
初リニューアルはイルゼ・クロフォード
リニューアルにあたりインテリアデザインを担当したのは、ロンドンを拠点に活躍するイルゼ・クロフォード率いるスタジオイルゼ。IKEAとのコラボレーションアイテムのデザインや、羽田空港にあるキャセイパシフィック航空のラウンジデザインを手掛けていたりと、国内外で活躍するデザイナーです。
空間はオープン当初のアアルトデザインを踏襲しつつ、テキスタイルで時代感をアップデート。
すべての構造と建具はオリジナルに忠実に復元し、空間のレイアウトもアアルト夫妻の描いた図面や古い写真から、オリジナルの比率を参考に再現されています。
メインダイニングルームの「クラブチェア」の張り地はネイビーからグレーに、
ソファ席もネイビーからストライプに一新。
テラスの「611 チェア」は、座面と背もたれのリネンのウェービングテープをブラックレザーにした特別仕様「611 チェア サヴォイ」にすることで、家具の形状や空間の構成はそのままに、落ち着きのあるスタイリッシュな雰囲気に生まれ変わりました。
また、今回のリニューアルでは小さなワインセラーを新設し、化粧室はデザインを一新。
さらに、スタジオイルゼが新たにデザインしたレセプションデスクやバーキャビネットも追加。
現代のレストランとしての機能性も見直されました。
季節を感じるフレンチ×フィランド料理
料理はフレンチをベースにした北欧モダン料理。
ゲストに常に新しい発見があるようにと季節ごとにメニューを更新しており、それぞれの季節のシェフおすすめのコース料理は人気メニューのひとつ。ワインのペアリングも用意されており、居心地の良いインテリアのなかでゆったりと食事を楽しむことができます。
モダンな空間に息づくアアルトのデザインが楽しめるレストラン
1937年当時から続いたアアルトのデザインを尊重しつつ、現代のデザイナーの視点によってアップデートされた新生サヴォイ。長く通う地元の常連客にも、観光で訪れる若者にも、記憶に残るヘルシンキの名レストランとして語り継がれるでしょう。
Restaurant Savoy – レストラン・サヴォイ
所在地 : Eteläesplanadi 14, 00130 Helsinki, Finland
営業時間 : 水-金曜日 11:30〜14:30 / 18:00〜24:00、土曜日 18:00〜24:00
定休日 : 日・月・火曜日
公式サイト : https://savoyhelsinki.fi/