「ストーリーに共感しながら、ものを選んで買う」ニューワールド・井手康博が大切にすること。
日本ブランドを世界No.1にすることを目指す、福岡発スタートアップ企業「ニューワールド株式会社」。日本を愛する全ての人のためにECサイトの「CRAFT STORE」の運営をはじめ、日本のものづくり企業と一緒にさらなる飛躍を目指す本会社を率いているのは、代表取締役社長の井手康博さんです。井手さんが大切にしているデザインや「CRAFT STORE」に込める想い、今後の挑戦について伺いました。
代表取締役社長・井手康博
1990年生まれ、福岡県出身。中国留学中に「関わる人の笑顔のために」というミッションを掲げ起業することを決意。2013年11月1日にニューワールドを創業。「映像と買い物をつなげる」をコンセプトにファッションメディア「アイマニ」を立ち上げる。その後2016年に事業転換をし、2017年2月1日に伝統工芸品を動画とともに紹介するECサイト「CRAFT STORE」を公開。「日本ブランドを世界No,1へ」をビジョンに掲げ国内では伝統工芸従事者と連携したマーケティング事業を拡大、国外では上海を中心に中国において販路を拡大している。2021年より一般社団法人 日本DESIGN BANK 理事に就任(現任)
共感したものを選んで買う
学生時代から、自分でビジネスを立ち上げたいと思っていた井手さん。中国留学から帰国後、ファッションメディアを立ち上げ、のちに伝統工芸品を動画とともに紹介するECサイト「CRAFT STORE」をスタートさせました。そんな井手さんに「大切にしているデザイン」を伺うと、作り手さんの器や職人さんが作っている作品を、少しずつ集めているとのこと。仕事柄、実際に作り手さんに会うことも多く、話をする中で共感したものを買っているそうです。
お気に入りの場所は、自宅のリビング。ソファやテレビ、ダイニングといったシンプルな空間で、あまりものがないのだそう。作り手さんの作品はダイニングの棚に飾ったり、食事をするときに食器を使ったりしているといいます。
「ものを選んで買う」ということ
旅する雑貨店「CRAFT STORE」は、日本のものづくりに特化したECセレクトショップ。メイドインジャパンにこだわり、作り手さんが手作業で作られている商品を取り扱っているそうです。ラインナップされているのは、現代のライフスタイルに馴染むような、デザイン性の高いもの。現在はインターネットでたくさんの商品を見つけることができて、海外のものにも触れることができますが、その中で何を選んでいくのかが大切だといい、「ストーリーに共感しながら、ものを選んで買っていきたい」と語ります。
ものが世の中に溢れている今の世の中で、「一人一人が何を選んで、どんなライフスタイルを過ごすのか。価格が安いものを選ぶだけでなく、しっかりと価格を払う価値を感じていただいて、ブランドや商品を消費者に手に取ってもらうのが良いのでは」とのこと。井手さん自身も身の回りに置くものは、こだわって選んでいきたいと思っているそうです。
ネットで売れにくいものを「CRAFT STORE」で
元々はファッションを展開していたニューワールド株式会社は、2016年にものづくりに特化したECセレクトショップをオープン。
「動画や写真を自社で作れるノウハウがあったので、インターネットで売れにくいものを、リッチなコンテンツを使って販売できるようにしたいと思いました。例えば楽器とか、インターネットでは音が聞けないのに、どうやって買うんだろうってなりますよね。作り手さんが作られている工芸品や生活雑貨も、ネットでは伝わりきっていないと感じたので、この領域を選んで参入をしました」
ものが溢れている今は、見た目と値段だけがインターネットで先行してしまいがち。「たくさんものがある中で安い方に流れてしまいがちですが、どこで作ってて、どんな人が作っているのか。そのストーリーをお伝えできれば」と語ります。
日本DESIGN BANK 理事に就任
井手さんは、2021年より一般社団法人 日本DESIGN BANK 理事に就任。才能あふれる次世代のクリエイターが、世界でひと花咲かせるためのプロジェクト「bud brand」に対して、「クリエイターの方が作ったものの商品化や販売、流通というところで付加価値を提供することができるんじゃないか」と考えたそう。自身の会社が多くの作り手さんとつながっているので、若手クリエイターと作り手さんをつなげるような立ち位置になれるのでは、と理事に就任したといいます。
井手さんが考える今後の展望を伺うと、「オンラインだけでなく、オフラインのリアルな店舗での体験の提供」。【日本ブランドを世界NO.1にする】を掲げている会社だからこそ、メイドインジャパンをいかに世界の流通に乗せるか、世界の方に手にとってもらうかが課題だと話しました。
ライフ・イズ・バランス
そんな井手さんの「ライフイズ◯◯」は、ライフ・イズ・バランス。仕事をしながら攻めたり守ったり…手に取る商品の幅もしかり。自身の生活でも仕事でも、バランスを意識しているところがあるといいます。「でも本音で言うと、肩にはまらない生き方をしていきたいですね」と、最後は笑って締めてくれました。