つくり手が住まう、ディティールへのこだわりが活きたワンルーム空間「照国町の住宅」
中原慎一郎が代表を務めている、1940~60年代のモダンデザインをルーツに新しいものづくりを目指す「ランドスケーププロダクツ」。店舗内装などのインテリアデザインを中心に、千駄ヶ谷のインテリアショップ「プレイマウンテン」などでオリジナル家具や小物も展開しています。
そんな彼らが手掛ける住宅は、普遍的な心地よさとあたたかなマテリアルによるインテリアが魅力です。2016年に完成した鹿児島県 照国町の住宅は、築35年の55㎡弱の4層ビルの一部屋を住居としてリフォームして作られました。モノづくりを生業とするご夫婦のお気に入りのアンティークのアイテムが散りばめられた、こだわりの空間です。
仕事と住居が緩やかに分けられたそれぞれのスペース
玄関の扉を開けるとちょっとした廊下と部屋への扉が見えます。玄関から繋がるダイニングと水廻りまではフラットな土間になっており、土足のまま使うことができます。1,2Fにアトリエを構える彼らの日々と、仕事と住居の距離感が考えられた空間構成となっています。
お気に入りのアンティークが並ぶ柔らかなリビングダイニング
アンティークのアイテムでまとめられたダイニング。円形のテーブルは来客に合わせて椅子を増やせるので空間をうまく活用できます。
華美な装飾が無くともオーナーの審美眼で選ばれた棚や器などの暮らしの道具たちが、その空間の主役となっています。
愛犬のベッドも配され、家族全員が集う憩いのスペースとなっています。
ダイニング奥には寝室が配されており、すのこベッドで高さを抑えることですっきりとした印象です。
生活感を抑えつつ使い勝手を保ったキッチン
ダイニングに隣接するキッチン。シンク前の窓から明るい光が差し込みます。
シンプルながらも使い込まれた調理器具が素敵なインテリアに。包丁やハサミなどは磁石で壁付けにすることで使い勝手もよく、スペースも効率よく活用できます。
その他の大きめな調理器具や調味料は隣の収納スペースに。
コンロやシンク下などではなく、棚にしまうことで見やすく出し入れしやすくなります。冷蔵庫も収納スペースにまとめることで、生活感を感じさせないキッチンになっています。
ディティールへのこだわりの積み重ねが生み出す大きな変化
洗面台にもアンティークの鏡を使用。新しく作り出された空間でも、アイテム一つで雰囲気が変わります。
大きなガラス窓でオープンな印象のシャワースペース。視界が抜けることでコンクリート壁の圧迫感も薄れ、広々と感じられます。
細いシャワーでスタイリッシュな印象に。シンプルなデザインだから水周りの掃除も楽になります。
細部にまでこだわりが詰まった、好きに囲まれる空間
アンティークを愛する2人のための、コンパクトながらゆったりとした時間が流れるような心地の良い空間。これまで2人が集めてきたお気に入りのアイテム達が活かせるデザインも、ゼロから空間を作れるリフォームならでは。クラフトマンである彼らと一緒に造った、生活とディテールに焦点を置いた住まいです。