日本と違ってアメリカの不動産価格が上昇を続ける5つの理由!

日本は現在好景気で不動産価格もある程度安定しているが、過去の記事でも紹介している通り東京オリンピック後や2022年問題、空き家問題など不動産価格が値崩れを起こす要素が多数転がっている。

では、海の向こう側アメリカはどうだろうか?

実は現在アメリカの不動産市場は非常に好調だ。前回紹介下通り全米でもトップの上昇率のシアトルやアップルなどのIT企業が集まるシリコンバレーやサンフランシスコ、全米一住みたい街と言われるポートランドなどの戸建は、1年で1000万も価値が上がるなど日本では信じられない程上昇している。アリゾナ州など内陸部でもその傾向は見られる。

では、なぜ日本と違ってアメリカの不動産価格が上昇を続けるのだろうか?

アメリカの人口が増えている

ヨーロッパなどの成長しきってしまった成熟した社会では、国単位での人口現象はごく自然な流れだ。日本も同じく、或いはそれ以上に超高齢社会の後は急激な人口減少が待っている。そんな中では東京などの巨大都市は別としても不動産価格が下落するのは目に見えている。

ただ、アメリカは別だ。2012年の時点で3億2000万人弱だった人口は、現在も増え続けていて2030年には3億6000万人を超える予想が出ている。これまでも多くの移民を受け入れてきたことに加え、子沢山なことが多いヒスパニック系の住人が特に増えている。

そういった中では住宅の市場価格は上昇するのは自然なことだろう。

新しい産業が生まれて景気が良くなる

サブプライムローンやリーマンショックなど、世界経済に大きな打撃を与えたアメリカの姿はもうみんな忘れてしまったかのよう。アップルなどのIT企業はどんどん成長を続け、シリコンバレーを中心に次々に新しいスタートアップが生まれて投資が集まり、そのいくつかは新しい産業と雇用を作り出す。

そうして好景気になると人が集まり、自然に住む場所が必要になる。不動産価格が上昇するのも当たり前の話だ。

土地への執着のないアメリカ人

生まれ育った街から離れなかったり、転職を中々できなかったりする日本と異なり、アメリカ人は土地への執着がない。仕事の多い大都市やポートランドのように住みやすい街に移り住むのは当然のことなのだ。ヨーロッパや日本のように歴史が長く、土地と人の結び付きが強い国とは感覚的にも異なる。

移住が当然のことなアメリカでは、住宅を買うだけでなく売ることも頻繁にあるため住宅市場が活発に動いていることも不動産価格が上昇する要因の一つだ。

古い物件でもリノベして長く使う

スクラップアンドビルドが当然のことのように行われ、新築が当たり前で建った瞬間から値下がりが始まる日本と異なり、アメリカでは古い家でもリノベーションして物件を活かして住むのが当たり前。築100年の物件などもいっぱいあり、しっかりメンテナンスされていて住宅を大事に使っている。

ポートランドのリビルディングセンターのようにDIYの資材を販売している場所もある。

色々な物件がある

古い街並みが残りインテリアしか工夫ができないヨーロッパや、ハウスメーカーが作るどれも似たり寄ったりの日本とも違うのがアメリカ。住宅街を歩けばデザインや大きさの異なる住宅が並んでいて、多種多様な不動産物件がある。もちろん郊外型住宅だけでなく、日本のようにタワーマンションのような住居も各都市のダウンタウンにはある。住宅の売買が活発なアメリカでは生活スタイルが変わったら、それに合わせて家を買い換えることも当然のことのように行われている。

 

このようにアメリカの不動産価格が上昇を続けるのは、単に需要と供給の市場原理の他にも住宅市場が活発化する理由が明確にあるからだ。日本がアメリカのようになる必要はないが、古い物件でも付加価値を付けて市場に流すなど参考になることも多いだろう。

参考:「アマゾンやスタバなど世界的大企業が集まるアメリカ・シアトルの不動産事情。