一つの箱に一つのアート!街に溶け込む西沢立衛設計の美術館「十和田市現代美術館」。2017.06.08Thu

via : wikipedia

青森の八甲田山の山麓や乗鞍岳などの南八甲田連峰に囲まれた街、十和田市には2008年に開館したユニークな美術館「十和田市現代美術館」がある。青森県内では青森県立美術館とともに注目のアートスポットとなっている。多くの現代アートが展示される美術館だがその魅力は美術館自体の建築デザインも魅力的。

西沢立衛、アトリエ・ワン、乾久美子、藤本壮介、ヨコミゾマコトの5名の指名コンペによって選ばれたのは、「アート作品のための家」というコンセプトのもとにデザインされた西沢立衛案だ。妹島和世とのユニットSANAAでプリツカー賞も受賞し、常に注目される建築家・西沢立衛による十和田市現代美術館はどのような建築的魅力があるのだろうか?

一つの箱に一つのアート

アナ・ラウラ・アラエズやロン・ミュエク、チェ・ジョンファなど代アートを代表する作家の作品が収蔵されていて、ひとつのアート作品に対して独立した一つの「箱」が展示室として与えられている。展示室にはところどころ窓が開いていて、外部にも雰囲気が伝わってくる。

スゥ・ドーホー(韓国)の作品

「アート作品のための家」のコンセプト通り、大きさや高さの異なる箱が家のようなスケール感で集まり集落を形成しているかのようにも見える。ひとつひとつの箱は小屋とも家とも言える独立した建築のようで、別の展示室に入ることが違う美術館に入るような感覚で楽しむことができる。

ガラスの回廊が箱をつなぐ

多様なサイズの展示室をつなぐのは、薄い屋根を細い柱が支えるガラス張りの回廊だ。外部から見ると回廊が主張しすぎないようになっているため、個々の展示室の箱が浮き出るようなデザインであることに気付く。

また、ガラスの回廊は外部と一体になったような感覚で歩くことができ、屋外に配置されたアート作品も観ることができる。美術館の通路が縁側になってしまったかのようにオープンな回廊だ。

街に溶け込む美術館

チェ・ジョンファ(韓国)の作品

十和田市庁舎など官庁が集まり、春には桜が咲き乱れる大通りに対して大きな開口が開いた展示室があったり、展示室である箱と箱の間の外部空間にも大型のアート作品が展示されたりと、街に溶け込むユニークな美術館だ。美術館の展示スペースが街にそのまま配置されたような、剥き出しの美術館であることが十和田市現代美術館の最大の醍醐味であるとも言える。

現在は向かいに「アート広場」が設けられ、草間彌生やインゲス・イデーの作品が並んでいて、この美術館からアートが飛び出して来たような雰囲気になっている。

 

確かに従来の美術館で西洋美術を楽しむことも良いが、家族や友人と気楽にアートに触れる場は少ない。十和田市現代美術館は、街に対してオープンでスケール感も大きくなく親しみやすい。こんな美術館が増えたら一般の人も訪れやすいし、子供たちがアートに触れる機会ができるのだろう。

十和田市現代美術館

開館時間 : 9:00-17:00
休館日 : 月曜日
電話 : 0176-20-1127
住所 : 〒034-0082 青森県十和田市西二番町10-9
URL : http://towadaartcenter.com
行き方 : 東北新幹線八戸駅からバスで約1時間14分、七戸十和田駅からバスで約40分

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