グンナール・アスプルンドが手掛けた美しすぎる図書館「ストックホルム市立図書館」

スウェーデンの首都、ストックホルム。ここは「世界一美しい首都」と呼ばれている。さらに世界で最も勉強の文化が根強いこの街で「美しすぎる」と注目を集めている建築物がある。それが「ストックホルム市立図書館」だ。

「美しすぎる」ストックホルム市立図書館

ストックホルム市立図書館が誕生したのは1928年。スウェーデン・ストックホルムの中心地に存在する。開架式の図書館になっており、円形をした施設内には55万冊もの蔵書を持っている。

図書館内部には蔵書庫としての役割だけでなく学習スペースや小さなカフェ、児童書コーナーなどがあり、ストックホルム市民が集い、学び、憩うコミュニティースペース的存在になっている。

手掛けたのは北欧建築の巨匠グンナール・アスプルンド

モダン建築の巨匠エリック・グンナール・アスプルンド(Erik Gunnar Asplund)。北欧にモダニズムをもたらしたとも言われ、通称「スウェーデンの建築の父」とも呼ばれている。

元々、アスプルンド氏はストックホルム市から「ストックホルム市立図書館」のコンペの策定を依頼されていた。しかしながら、結果的に自分で設計することになり、さらには隣にある公園のコンペにも応募当選勝したことで、ほぼ一緒にデザインされている。

街中でひと際目立つレンジ色の円筒型

ストックホルム市立図書館の外観は、レンジ色の四角い建物に円柱の塔を乗せた形が特徴的。クリーム色の外壁のレタリングもモダンなデザインと相まり、格好良い。

360°本に囲まれた美しい中央閲覧室

神殿のような階段を登って入ると入ると広がるのは、吹き抜けのエントランスホール。360度が本に囲まれ、息を飲む非現実的な大パノラマの空間が広がる。

「知識の壁」と呼ばれる3層の書架には、まるでおとぎ話に出て来るような重厚感のある本達がずらりと並ぶ。真ん中にぶら下がった照明も存在感があって良い。

乳白色の壁は凹凸のあるテクスチャーが美しい。高い天井から柔らかく差し込む自然光が、館内に明るいながらも柔らかく降り注ぎ、まるで荘厳なヨーロッパの教会にいるような神聖な雰囲気もある。

アスプルンドがデザインした椅子やアートも見逃せない

アスプルンド氏がデザインした館内のインテリアや什器も、話題の1つ。木や鉄で丁寧に作られた什器は、ミニマルなデザインでシンプルだが、贅沢な豊かさを感じられる空間を作り出している。

専門書のコーナーや勉強部屋、子供用の図書室にある椅子やアートはモダンなデザインが彼らしく、どれも美しい。

北欧らしい、モダンなデザインと建築がたまらない空間

グンナール・アスプルンドの建築らしさとその奥深さ、そして北欧らしい歴史的な美しさを併せ持つ「ストックホルム市立図書館」。ここの建築には、まさに北欧建築のルーツが根付き、アスプルンドから大きな影響を受けた著名な建築家達も、この場所で様々な建築デザインを学び、そして設計をしていたのであろう。

Stockholms stadsbibliotek – ストックホルム市立図書館

開館時間:10:00~21:00(金曜日~19:00/土・日曜日~17:00)
住所:Sveavägen 73, 113 80 Stockholm, Sweden