EUの空き家の半数を占める英国よりも深刻?!日本の異常な“空き家”事情

不動産運営をする上で、「空室リスクを避けること」は一番重要だ。日本の賃貸市場は集合住宅を中心に空き家の件数、空室率がとても多いのが現状。そもそも需要に対して供給過多であれば、市場の中でなんらかの付加価値が必要となってくる。

しかし、単純に供給過多と言われてもピンと来る人は少ないだろう。そこで世界の空き家事情と比較して日本がどれだけ空き家の件数・空室率が高いのか、今後長い目でみて何が必要となってくるのかを検証してみたい。

ヨーロッパの空き家率からみる日本の異常な空き家率。

まず、ヨーロッパの空き家の例と比較してみたい。現在、ヨーロッパ全体に約1,100万戸もの空き家があるといわれている、そのうち全体の約20%、約60万戸はイギリスにある。さらにそのうちの20万戸は6カ月以上も空き家の状態が続いていると言われている。

住宅としての機能を失った建物は、ただ解体を待つだけの物悲しさだけが際立つ。街並みもまた空虚感に満ちたなんとも言えない雰囲気が漂う。しかし、実は全くの他人事ではなく日本はこの約3倍近くの約820万戸の空き家があるとされ空室率は非常に高い。

産業成長後のイギリスが映し出す、深刻な「空き家」事情。

イギリスのリヴァプールやマンチェスターの典型的な労働者階級の人々が暮らしていたテラスハウスなど、かつて産業の繁栄や労働者階級の強力なコミュニティを象徴する存在が、今では空き家の状態が長期間続いているという状況。

日本においても空き家の増加は深刻な問題となっていて、総住宅数に対して空き家数が約13.5%を占めており、過去最高の数字を叩き出している。東京オリンピックで盛り上がりをみせる不動産市場に水をさすようだが、数年前から集合住宅の空き家問題は深刻になっており、その状態が解決しないまま新たに都心部を中心にまたタワーマンションなどが建てられている。

まさに、イギリスの例は決してヨーロッパだけの問題ではない、日本の空き家事情にも言えることではないだろうか。

長期的な目線と、付加価値が「空室リスク」を回避する?

では、いったいどうしたこの空き家問題を解決できるのだろうか。まずは、その建物自体が長期的な目線で保有できる何か、借りてに魅力的な特徴的があること「付加価値」が需要だ。casitaを例に挙げるとするならば、長期優良住宅であったり、戸建であることなど集合住宅にはない利点があることだ。確かに、新しい建物「新築」物件に人気が集中するが、地域の利便性や使い勝手などの需要があるのも確かだ。

 

古くなったから壊す、空室が続くから壊すではなく、“どうしたら”古くなっても住まえるのか、空室にならないようにできるのか、「工夫」が大切なのではないだろうか。