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伝統的な日本の家の心地よさを受け継ぐ「casa amare」。その秘密と知恵を探る。

外国映画の家族がそれぞれに独立した個室をもった家がまぶしかったころがたしかにあった。

それに比べると、障子や襖といったこころもとない仕切りの日本の家は、

どこかあか抜けない、貧乏くさいもののように感じていたことを思い出す。

しかし、じつはそこにこそ日本人の知恵があったのではないか、今改めてそう考えるようになってきた。

 

日本らしい知恵~弾力性のある仕切り

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国土の狭い日本では、一般的な家屋はそれほど大きくは建てられなかった。

そのため、どちらかというとこじんまりした住宅を、いかに広く見せるか、広く使うか、というところに日本人の知恵が生かされてきた。

たとえば、垣根。

日本の住宅に大きな影響を及ぼした茶室の様式にのっとって普及してきた垣根もそのひとつだ。竹垣や生け垣など種類は様々だが、垣根があることによって家の敷地と外を隔てるが、植物を使った垣根は、見る人の目を楽しませ、気分をやわらげる効果もある。「仕切り」ではあるが、単に家と外を区切るためにあるのではない。

石や土での造られた塀ではなく、こういった柔らかい印象の垣根を使って、ふわりと仕切りをする、というのはじつに日本的な感じがする。

日本の代表的な建築物である桂離宮(京都府)の「笹垣」などは、桂離宮独特のもので生きたままの竹を使っていて枯れることもなく、訪れる人の目を楽しませている。垣根そのものがさながら芸術品、というものもあり、垣根文化の奥深さを思い知らされる。

 

「明かり障子」のもつ能力

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もうひとつ。

日本ならではの仕切りといえるのが「障子」だ。

近年の西洋化した住宅には、障子のない家も増えているが、日本住宅の場合は、障子は欠かせないものであり、障子ならではの表情を演出できるポテンシャルをもっている。

平安時代の障屏具を起源とする障子は、中世の時代から、建具が発達するにつれ、襖障子、唐紙障子、透障子、板戸障子などへと発展していった。

日本の室内建築の大きな流れのひとつである「軽量化」をもっとも体現しているのがこの障子であり、部屋と部屋、または部屋と廊下、外との仕切りがこの軽やかな障子であることで、決して広大ではない日本家屋の部屋は必要に応じて大きく広がることができたのだ。

美しい幾何学模様を描く桟に、和紙をぴんと貼った「明かり障子」は、彩光を妨げることなく、和紙を通すことでその光は柔らかみを帯び、ほかの照明器具では得られない味わいのある明かりを織りなす。

 

障子のある暮らしの心地よさを引き継ぐ

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かつて海外の建築家は日本の古い家屋を見て、「木と紙でできている」と称したそうだ。それが日本の文化であり、伝統だったのだ。

そして、それは住む人にとっても、心地よいものであり、時代遅れでもなんでもなかった。そのことは障子のある部屋で、過ごしてみれば体感できるに違いない。

今、紙ひとつで空間を閉じたり、開いたりする「障子」という建築様式を活かした家づくりを、casa amareでは行っている。

日本人が一度はなくしかけた「障子文化」を、これからも引き継いでいくためだ。

 

 

たまに宿泊する和風旅館で、畳の上にごろりと転がって昼寝する時間が

あんなにも幸福なのは、和室と外を仕切る障子があるからなのかもしれない。

うとうとまどろんでしまうのは、障子を通して届く光がやわらかく、あたたかいから。

きっとそうなのだ。

 

#casa 編集部

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「暮らしとデザイン」をテーマにしたWEBマガジン「#casa」(ハッシュ・カーサ)。

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日本の伝統美を手本にした

「受け継がれる家」