戸建賃貸住宅を用いる賃貸経営は、相続対策としても有効な土地活用の手段

低金利の時代に、預金だけでは資産を増やせないことから、投資に対する関心が高まっています。特に、賃貸経営は、一般人からも資産運用の有効な手段として注目されています。その中でも、不動産の賃貸経営は、条件さえ揃えば安定した家賃収入が見込まれるため人気が高いでしょう。不動産の賃貸経営としては、アパートやマンションといった集合住宅と戸建賃貸住宅の2種類が挙げられます。

不労所得を得たい土地の所有者には賃貸経営が有利

資産運用のため不動産に投資する人は増えています。しかし、土地の購入費用を捻出するのは容易ではありません。この点、既に土地を所有している人は、様々な土地活用方法があるため有利です。更地のまま活用するのであれば、駐車場の設営やトランクルームの設置などにより副収入を得られるでしょう。駅近といった居住に適した土地を所有している人は、賃貸住宅を建てると賃貸経営による家賃収入を期待できます。ある程度の広さがある土地なら、アパートやマンションといった集合住宅の建築が可能になり、空室率が2割を超えない需要を確保できれば、相当の収入を見込めるのです。

所有する土地が狭くても戸建賃貸住宅の建築は可能

自己所有の土地があっても、集合住宅を建てるほど広くない場合は、戸建賃貸住宅の建築を考えましょう。自宅の敷地にある程度の空きスペースがあれば、狭小な戸建賃貸住宅を建てられます。狭小住宅でも、駅近物件など利便性が高いと需要があります。特に、集合住宅の生活騒音が苦手な人には戸建賃貸住宅の人気が高いのです。駅近でなくても、駐車場を備え、近隣の環境が閑静で快適と言えるエリアにある物件であれば、賃借希望者が現れるでしょう。また、戸建賃貸住宅は、集合住宅ほど建築費がかからず、巨額のローンを組む必要もありません。

さらに、戸建賃貸住宅の賃借人は、家族で長期間にわたって居住することが多く、安定した家賃収入を見込めるのです。ただし、自宅の敷地に空きスペースがあるからといって、どんな場合も戸建賃貸住宅を建てられるとは言えません。角地や防火施設などの好条件がないケースでは、法定の容積率や建ぺい率などの規定を満たせないこともあるので注意しましょう。

賃貸住宅を建てれば相続税を節税できます

所有地の土地活用として戸建賃貸住宅を建てると、相続税対策としても役に立ちます。賃貸住宅の建築費を借りてローンを組めば、その負債は相続財産の一部として計上できるのです。すなわち、土地などの不動産に加え、預金や株式といった金融資産といったプラスの財産から、借金の額を差し引いたものが課税対象の相続財産として認められます。さらに、戸建賃貸住宅は、収益性のある建物なので、固定資産税評価額の70%が課税対象となります。これは、ローンの有無に関係なく適用されることから、賃貸経営者には好ましい制度と言えるでしょう。

所有地が小さくても戸建賃貸住宅なら建てられるし相続税対策にもなります

所有地があっても、あまり広くないと、積極的に土地活用しようとしない人がいます。ただ、狭小住宅でも場所によっては需要があり、長期間借り手が付くケースも少なくありません。最終的に、子孫に引き継ぎたいと考えた賃借人が、土地と建物を買い取ってくれることもあります。したがって、戸建賃貸住宅を自宅の敷地に建てる場合は、接道部分を確保して、土地を分筆すれば建物といっしょに譲渡できるよう準備することも重要です。