一軒家のオーナーに勧めたい戸建賃貸住宅という方式の賃貸経営。

賃貸経営と言えば、アパートやマンションといった集合住宅が知られているが、立地条件によっては空室リスクが高いうえ、広い土地や潤沢な資金を持つ者でなければ、なかなか手が出ないというのが現実と言えるだろう。一方、戸建賃貸住宅も実は需要が高く効率的な土地活用法と言える。戸建賃貸住宅は、一軒家を貸す方式で、借り手にも貸し手にも様々なメリットがある賃貸経営方法だ。

一軒家を使った不動産投資の魅力

一軒家は、アパートやマンションといった集合住宅と異なり、壁を隔てた隣室の騒音に悩まされることがない。部屋数も多く、ゆとりのある生活が可能になるだろう。専用の庭があり、物置を置けるほか、花壇や家庭菜園を楽しめる。また、犬・猫・鳥などのペットの飼育も比較的自由と言えるだろう。こうした一軒家を借りて住みたいという人は少なくない。

戸建賃貸住宅のメリット

一軒家を貸す戸建賃貸住宅は、集合住宅のような広い土地が不要で、狭い土地でも建てられる。建築にかかる費用も、集合住宅に比べれば相当安く抑えられ、多額のローンの返済に悩まされずに済む。駅近の物件を最優先する集合住宅希望者に比べ、一軒家を望む人は、利便性より居住性を重視する傾向がある。したがって、多少駅から遠くて交通の便が悪くても、一軒家には借り手がつきやすいと言えるだろう。戸建賃貸住宅の高い需要に対して供給量が少ないため、貸し出せば借主を見つけることはさほど難しくない。

賃料も同じ間取りの集合住宅より高く設定できる。いったん借り手がつくと、長期間居住する蓋然性が高く、空室リスクが低いというメリットもある。戸建賃貸住宅の賃借人は、収入が安定しており、家賃滞納のリスクも避けられるだろう。

戸建賃貸住宅経営の注意点

メリットが大きい戸建賃貸住宅だが、一軒家独特の注意点もある。まず、維持管理やリフォームの費用がかかるという点が挙げられるだろう。庭の雑草取りや樹木の伐採など、建物外の管理に手間がかかることも否定できない。借主が見つからず空き家の状態でも、定期的に清掃や剪定を行わなければならないのだ。戸建賃貸住宅の賃貸経営に携わるうえで、こうしたコストを考えておくことが欠かせない。また、生活騒音など隣室とのトラブルが少ない一方、一軒家の住人は町内会や自治会と関わらなければならない面もあり、地域の人間関係が上手くいかないリスクもある。

賃借人の選定においては、こうした事情も十分説明し、近隣住民とコミュニケーションを図れる人物に貸すことが望ましいだろう。

狭い土地でも一軒家を建てる余地があれば、戸建賃貸住宅の建設を考えてみよう

土地があると固定資産税がかかり、賃貸経営に生かすなどの工夫をしないと、経済的負担が大きくなるばかりである。集合住宅を建てられない狭い土地なら、戸建賃貸住宅を建築して賃貸経営を行うという選択肢を検討してみよう。駅から多少遠い郊外にある土地でも、一軒家なら住んでみたいという人は少なくない。賃貸で活用した後、親族に居宅として提供することも可能だ。