資産形成の鍵は「見える化」、マネーフォワードCEO辻庸介が伝授。
資産運用に欠かせないのがお金の管理である。だが日々の出費をいちいち管理するのは面倒で、家計簿管理に挫折した人も多いのではないだろうか。自動家計簿資産管理アプリのマネーフォワードは日本最大級のサービスである。銀行、クレジットカード、ポイント、証券といったあらゆる資産を一括で管理っできるというものだ。株式会社マネーフォワードCEO辻庸介氏に、これからの時代に即した資産運用管理ツールについて話を伺った。
資産形成には収支の記録が大切。マネーフォワードで一括管理するメリットとは。
マネーフォワードで資産を管理することは、いわばレコーディングダイエットと同じ効果を持つ。記録をつけておかなければどんぶり勘定でなあなあになり、それが資産形成が思うように成果が上がらないことの原因となる。だが見える化すれば、これまで気づかなかったムダが見えてくる。理想の家計を描き、それに対して今の家計がどれほど改善の余地があるかも見え、見直しのきっかけになると辻庸介氏は期待する。
そのためには日々の記録を継続してデータを積み上げ、変化を読み取る必要がある。マネーフォワードは3000ほどの関連金融機関と提携し、そのサービスを一括管理できるのでいちいち家計簿に入力処理がいらないという利点がある。この手軽さは、スマートに資産形成の計画を立てる上で重要であろう。
お金の管理はフィンテックで大きく変化している。
フィンテックはIT技術を使った新しい金融サービスである。このフィンテックがお金のあり方を大きく変えている。例えばこれまで銀行窓口で手続きしていたものがスマホでできてしまう。貯金だけでなく様々な決済もスマホで済んでしまうので、現金や紙幣を使った決済は今後少なくなっていくと考えられる。借入や運用などお金を動かすとデータが蓄積していく。管理が簡単にできるテクノロジーによって、必要な時にお金が借りられるなど、よりお金が便利になっていくだろうと予測される。辻庸介氏は、そのようにして社会が滑らかになっていくのではと期待している。
辻庸介が考える、日本人のマネーリテラシーとは。
日本人はまだ現金、紙幣での決済が多い。中国の金融サービスは大きく伸びているが、日本のキャッシュレス率は20%程度なのに対し、一番進んでいる韓国が80%と、4倍近くある。まだまだ日本には伸びしろがあるといえる。この現状は悪いことではなく、ATMが近くにあってすぐお金を引き落とせて便利だったり、偽造紙幣が少なかったりといった安心感があるためだ。日本のいい特徴であるので、さらにキャッシュレス化が進めば日本独自の進化を遂げる可能性もあるのではと氏は考えるという。
フィンテックを活用して、資産形成を楽にしよう
私たちは働き、生活することで忙しい。お金の管理というと、必要だがどうしても面倒に感じ、考えることを後回しにしがちだ。だがマネーフォワードなどのフィンテックを活用すれば、管理は大幅に楽になる。そうすれば新しい資産運用や保険にも積極的になり、結果的に資産形成がしやすくなっていくだろう。フィンテックの新しいサービスを利用して、資産管理の心配から解放される日が来ることを期待したい。