少額資から不動産投資が可能、不動産という実体のあるモノへの投資「リート(REIT)」

不動産投資としてよく耳にする「リート(REIT)」。「リート(REIT)」とは、投資家からお金を集めて賃貸住宅・オフィス・商業施設・物流施設・ホテル旅館などの不動産を購入し、売却益や家賃収入など利益を分配する投資商品です。

「実物不動産投資とどちらがお得?」と疑問を持つ方のために、今回は知っておきたいポイントと、実物不動産との違いをまとめてみました。

少額から始められる不動産投資「リート(REIT)」。

不動産投資を行うには、多額の資金や時間が必要となりますがリートは「不動産」という商品に直接投資をすることができます。

株式と同じように市場で投資証券の売買が可能なため、投資信託と同じ仕組みと思われるかもしれませんが、リートは集めたお金の投資先が不動産、投資信託の投資先は株式や債券などの金融商品と、集めたお金の投資先が異なります。

分散投資「預金、株式、不動産」が少額資金から実現できる。

リートの最大の特徴として、少額の資金で不動産に投資できるという大きなメリットがあります。

不動産に投資をする場合、地方の中古ワンルームを購入するとしても数百万円の費用が必要です。しかし、リートの個別銘柄に投資する場合は数十万円、さらにリートを対象とする投資信託を活用すれば1万円程度から投資することができます。また、分散投資「預金、株式、不動産」が少額資金から実現できるというメリットもあります。換金もしやすくその都度時価で購入することがでます。

普通預金するよりも「リート(REIT)」投資がお得なワケ。

気になる利回りはですが、リートは半年ごとに配当金が支払われます。実物不動産に比べると利回りは見劣りしますが、この配当金の平均利回りは約3.38%で、最も高いものになると約5.2%、普通預金の金利が0.02%程度のことを考えれば、非常に高い利回りです。

東証一部上場企業の平均配当利回りは約1.56%ですから、株式投資に比べても有利です。株と大きく違う点は株は「この企業や、分野が成長する“かもしれない”」という実態のないものに投資しているのに対し、リートは不動産という“今、実際に存在しているもの”に投資をしているので金融商品よりも安定感があります。

メリットがあればデメリットもある、自分に合った投資方法を。

もちろんメリットばかりではなく、デメリットもあります。投資対象となる物件は投資家から集めた資金だけでなく、銀行からの借り入れも利用して投資をしています。金利が上昇した場合、利払い負担が増加し集積を圧迫する可能性があり、投資法人が破綻してしまうと、投資していた資金もすべて無駄になってしまいます。

記憶に鮮明なのは2008年の、投資法人リーマンブラザーズが破綻し、その影響で資金繰りが悪化し世界連鎖的な金融危機を招いた事件。リートは間接的とはいえ、実物資産である不動産に投資をしています。そのため、家賃滞納リスク、地震や災害など実物不動産が持つリスクも同じように抱えます。また実物不動産に比べると税金も高く、価格変動リスクが高いことも注意しておきたいポイントです。

 

一口に不動産投資といっても様々な方法があります。リートと実物不動産投資の違いをよく知り、不動産市場の動向と合わせてみていくと面白いかもしれません。ご自身にあった予算・方法で未来に投資をしてみてはいかがでしょうか。