マンションやアパートではなく、戸建賃貸住宅が不動産投資に有利な理由とは?
不動産投資といえば、マンションやアパートなどの一棟ものを思い浮かべがちですが、ライフワークバランスの重視などのように社会の価値観が多様化するにしたがって、戸建賃貸住宅への注目も集まり始めています。不動産投資に戸建賃貸住宅が有利である理由やその注意点を知っておくことは、これから不動産で資産運用を行ってみたいという人にとっては有益な情報となるでしょう。
不動産投資に戸建賃貸住宅が注目され始めた理由は?
不動産投資といえば、マンションやアパートのように複数の居室を持つ一棟ものを所有し、その家賃収入で収益を得るというスタイルが典型的なパターンの一つといえるでしょう。戸建てと比較しても家賃が低く抑えられ、交通の便もよく幅広い年代のニーズにこたえることができるうえ、一戸でも入居が決まれば家賃収入が入ってくることから、空き家リスクも軽減できる点がその理由として挙げられてきました。
しかし、国が推進する働き方改革が導入されて以降、リモートワークが急速に普及し、ライフワークバランスなどにも関心が高まっていることを背景に、若い家族層を中心に一戸建てへの注目が集まるようになってきました。これらのニーズにこたえるのが戸建賃貸住宅というわけです。さらに、マンションやアパートが供給過剰気味であるという点も、その傾向を後押ししているといえるでしょう。
戸建賃貸住宅で不動産投資を行うメリットは?
不動産投資として戸建賃貸住宅を活用するメリットは様々ありますが、大きく分けて「需要がある」「長い入居期間が期待できる」「投資の引き際に融通が利く」という3点を挙げることができます。
需要がある
賃貸物件としてはマンションやアパートが主流であるため、全体的にみると戸建てへのニーズはまだ多くありません。しかし言葉を換えれば、マンションやアパートはそれだけ競争が激烈であり、一方で数は少なくても戸建てには堅固なニーズがあるので、コアな需要を確実につかめるということになります。
長い入居期間が期待できる
戸建賃貸住宅の利用者は、子育て中の若い家族が想定されるため、教育環境を維持するという観点から入居期間が長期になることが見込まれます。一度入居してもらえれば、空き室の心配なく安定した不動産収入が期待できます。
投資の引き際に融通が利く
アパートやマンションでは賃貸を売り物件に変更することはできませんが、戸建賃貸住宅の場合は、居住者の希望があればそのまま売却することも可能です。また、自らの自宅としてそこに住むという選択肢も得られます。一度投資を始めると、老朽化対策として建て替えなども視野に入れなくてはならない一棟ものとは異なり、投資の出口戦略に融通が利く点も戸建賃貸住宅のメリットです。
戸建賃貸住宅で不動産投資を行う際の注意点は?
戸建賃貸住宅で不動産投資を行うことには数多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。まずは「管理に手間がかかる」という点です。戸建賃貸住宅を不動産投資として活用するためには、物件を入手した段階でリフォームやリノベーションでリフレッシュさせる必要が生じますが、物件管理はここがまさにスタート地点、入居者の賃貸終了後には清掃やメンテナンスなども行わなくてはなりません。「空き家リスクが高い」という点にも注意が必要です。入居が決まれば長期の家賃収入が約束されるものの、決まらなければ回収率はゼロという厳しい現実も待ち受けます。そのような事態に陥らないためにも、入居者にとって魅力的な物件となるようなリノベーションを行うことが求められます。
不動産投資では戸建賃貸住宅の活用も有効、メリットや注意点を押さえて効率的な資産運用を
社会の価値観が多様化する中、戸建賃貸住宅を不動産投資として活用するケースに注目が集まっています。戸建賃貸住宅には、マンションやアパートには興味を示さないコアなニーズがあり、一度入居が決まれば長期間の家賃収入が期待できて、最終的には売却したり自分で住んだりといった出口戦略も立てやすいというメリットがあります。一方で、管理の手間があったり、入居者が決まらなければ家賃収入が全く入らないというリスクも予想されますので、これらの注意点を押さえながら効率的に運用していくことが求められます。