加速される日本のグローバル化でさらに期待が高まる“民泊・不動産市場”。外国人からみる日本の「Airbnb」とは?!

現在、少額での不動産投資として日本でもじわじわとトレンドになりつつあるAirbnb(エア・ビーアンドビー)。でも、「実態はどうなんだろう?」と気になるところ。そこで今回はAirbnbを日本で始めて2年目のアメリカ人Jさんに、外国人からみた日本の「Airbnb」市場と、今後の動向についてお話を伺った。

外国人から見た日本の「Airbnb」市場。

Jさんは現在都内に2つの物件を所有している。六本木にほど近く、窓から東京タワーが見えるロケーションのワンルームタイプの物件だ。マンション自体も新しく最寄り駅は麻布十番駅、浅草や築地など海外からのゲストに人気のエリアにアクセスしやすい路線を選んでいる。そんなJさんが「Airbnb」(エア・ビーアンドビー)を始めたのは2年前のこの記事を読んでからだという。

 

Relative to other major cities in the world, Tokyo, with its population of 13.4 million, has been slower to embrace Airbnb, with fewer hosts signing on to open their doors to strangers. There are currently about 2,500 listings in the city, less than half of what can be found in Madrid, less than one-fifteenth of what can be found in Paris and about the same as what’s available in Edinburgh, a city of half a million people.

-世界の他の主要都市と比較して、1340万人の人口を抱える東京は、見知らぬ人を迎えるために署名しているホストは少なく、Airbnbを受け入れるのが遅れている。現時点で約2,500件のリストがあるが、その数はマドリッドの半分以下、パリの15分の1以下、エジンバラでは50万人の都市と同じだ 。-

 

「日本には50万人の都市人口と同じだけの物件数しかない。ビジネスチャンスだと思った。」さらに「日本人は他人を家に招待するという文化がない。自宅に知らない人を招くのに抵抗があるのだろう。外国人はハウスパーティの文化がある。僕は自宅に人を招くことに抵抗がないし、これなら市場が大きく激化せず僕にもチャンスがあるかもしれないと思った。」と、Jさんは「Airbnb」をはじめた当初のきっかけを話してくれた。

初期投資が少なく、広告費も少なくてすむ「Airbnb」。

次に、気になる初期投資や利回りについて聞いてみた。

「最初のころは僕には充分な資金がなかったので、まずは1件だけ借りてみた。約100万円前後の初期投資から初め、最初にどれくらいコストや時間がかかるのかを知りたかったのでクリーニングから全て自分で行った。当時はサラリーマンだったので、使える時間も限られていたし一人で全て賄うとすれば2件が現実的。Airbnbは平均するとワンルームタイプで毎月15万円は硬い。初期投資を考えても1年満たないで回収できるので副業にはよいと思う。」

プラットホームもAirbnb・中国系の民泊サイト・日本の民泊サイトと数が少なく、大きな差はないため広告としても2つ、3つ掲載すれば集客は見込めるとJさんは言う。

「Airbnb」はエリアと部屋数(一客の集客数)で利益率がかわる!

また日本の特徴として“ ホテル代が高い ”ところもあげている。海外は一部屋幾らといったところが多いけど、日本は人数によって金額が加算されていく。ホテルと比べた時に断然「Airbnb」の方がお得なので、広い部屋が確保できる家ならばファミリー層などの需要に期待ができるという。

「3LDKなら一客あたり3万〜5万は見込めるんじゃないかな?東京は家賃が高いので他の観光都市ではじめるのも手。京都は人気のエリアだけど条例などの兼ね合いがあるので、北海道や沖縄などアジア圏のツーリストが好む場所に借りるのもいいと思う」。

法律改正後がポイント!短期決戦も可能な「Airbnb」。

しかしながら5月から民泊の法律が新しく改正されるにあたり春までは様子を見た方がよいという。

「民泊として貸し出せるものが180日、それ以上ならホテル扱い、民泊は25%の税金で済むけど、ホテル扱いになると40%の税金を納めなくてはならない。今までは360日稼働させても良かったけど今年からルールが厳しくなる。利益はまだでるけど大きく投資をしても利幅は少ないと思う。借りてまでやるのはリスクもあるけど、空き物件や、空いてる部屋があるならオススメ。オリンピック3ヶ月間は自分の部屋を開けて貸し出してもいいくらい。」と、話す。

加速される日本のグローバル化で、さらに期待が高まる民泊市場。

現在、日本の海外からの観光客数は2000万人と過去最大、オリンピックピーク時は3000万人と予測されている。あと3年足らずで1000万人増えることを考えるとホテルだけでは確かに対応は難しいだろう。観光客の数が加速している今「Airbnb」の一時的に稼働日数が自由にはなるのではないかという期待もある。そんな今後の日本の状況を踏まえた上で最後に「casita」のような戸建賃貸物件についてどう考えるか訪ねてみた。

「景気と海外需要だけの視点からになるけど、今年から永住権の法案も改正される。永住権をとるのに10年かかったところが3年になるため、オリンピック後も日本への移住する人やツーリストに期待ができる。日本は欧米の海外ツーリストとの客層とは異なりアジア圏の人たちが多い。アジア自体が活性化してる今オリンピック後も民泊の需要は期待できると思うし、戸建賃貸のように不動産としても賃貸としても民泊としも需要があるものは面白いと思う。」と、話すJさん。

 

今後の賃貸経営や不動産売買は、不動産も、海外に住む人も、ホテル業界も、全体を1つのイメージとして掴むことが成功の鍵を握るのではないかと感じた。