家づくりからカフェ、キャンプ場まで。伊勢の工務店「BdHOME」が目指すコミュニティづくり
時間を超えて愛される、Timelessな家づくりを心がけている三重・伊勢市の工務店「BdHOME」。住宅をデザインする以外にも、ショップやキャンプ場を手がけるなど、幅広い事業展開をしている会社でもあります。代表の濱口和也さんが事業を始めることになったきっかけや、今後の取り組みについて聞きました。
“デザインある建築”を提案する伊勢の工務店「BdHOME」
BdHOMEの公式サイトは一見工務店らしくない、設計事務所やデザイン会社のようなデザインが特徴的。
代表の濱口さんは“デザインある建築”を提案しており、綺麗な形やバランスを意識してデザインしていることが多いといいます。ポイントに挙げたのは、光の入り方や周りの環境の中で住宅を活かしているか。シンプルで、素材やテクスチャーが活きているような建築を目指しているんです。
現場監督からキャリアをスタートさせた、代表の濱口さん
濱口さんのキャリアは、現場監督からスタート。サラリーマン時代に若くして1軒目の自邸を建て、その家を販売した後に事業を始めようと思ったそうです。サラリーマン時代に2軒目を建てて、そこで独立。自分の家を建てる中で、デザインを学びながら好きなスタイルが確立していったんだとか。「一般的に家は3軒建てないと満足できないといいますが、1・2軒目もすごく満足いっている。自分がしっかりと設計・施工で携わる自邸に満足できたことで、お客さんにも提供できると自信にも繋がった」といいます。1軒目を建てたサラリーマン時代は、公共建築や住宅をやらない会社だったこともあり、余計住宅に興味が沸いたとのこと。ゼロから作り出すクリエイティブの面白さを求めて、7年間のうちにやりたい気持ちが膨れ上がっていったそうです。
完成した住宅で見学会を実施していると、お客さんと会える機会は家を建てる段階のみ。「でもカフェやショップを持っていたら、コーヒー1杯からお店を知ってもらうきっかけになり、表現している世界観の伝わりやすいはず。お客さんが素敵だなと思ってくれたら、お家を建てたいなと繋がっていくのではと、ショップをオープンする場所を創業時から探していた」といいます。
14年で210棟を手がけ、地域に根ざした会社として活動を進めるBdHOME。ずっと地域に必要とされる会社として存続させるために、自分たちにしかできない価値を創造したいと考えているそうです。長く愛される家を作ることは、長く愛される街を作ることにつながり、地域に価値のあるライフスタイルを生み出すことにつながる。さまざまな事業を通して、理想とする世界観を提案し続けています。
あえて郊外にショップを建て、コミュニティを作り出す
「BdHOME」は注文住宅事業や不動産事業、ライフスタイル事業などを展開しながら、“つながり”を大切にしている工務店。多方面からお客さんと密に交流し、信頼のつながりを作り出しています。目指しているのは、「設計力」「建築の力」「ライフスタイルの力」「時間を超える力」「地域工務店の力」の実現。そうした5つの価値を落とし込んだのが、BdHOMEのショップ「MARCI」です。
ショップが位置しているのは、伊勢神宮の横の山が綺麗に見える土地。路面店や市内のテナントを選んだ場合、集客や利便性は高いけれど、「ほかにはない価値を作りたい」という想いから、何もないところを選んだそうです。住宅が立ち並んでいる、街並みを表現したショップ。「それまでは一軒一軒お客様が選んできた土地でデザインするスタイルだったけれど、自分たちの建築だけがある場所で、街のようなものを作りたい」と思っていたといいます。色々な建築家さんの写真集や図録、展示会に行ったときに購入したアートなど、旅とアートとインテリアと建築、自分が興味のある本を置いているんだとか。
カフェの方はボリュームが必要だったため、半地下の景色を見せたり目隠しをつけたりと、自然の中にいるような錯覚を意識しているとのこと。座ったときの視線や、アプローチを遠く取ったりとか、そういうところも建物を全体を見てもらえるように設計しているんだとか。
春と秋の年に2回、敷地内の森を使ってマルシェを開催しており、地元のお菓子屋さんやコーヒースタンドは20店舗弱集まって、人気のイベントとして注目を集めています。2021年にキャンプ場に改修し、伊勢神宮に一番近いキャンプサイトとして運営しているそう。ここ5年間で少しずつ広げてきたショップは今後はもう触るところがないので、また違うところを探そうとしてると話してくれました。
実際の施工例をご紹介。あえて要望を聞きすぎず、自由な発想から提案
S-HOUSE1は、15年前に設計した家。台形の敷地になっており、離れのRC棟がご主人の事業事務所になっているそう。RC棟から渡っているスロープは綺麗な景観を楽しめるのが特徴で、山に登っていくイメージでスロープを作ったといいます。家族で楽しめる庭を屋上のテラスに作り、リビングの大きな窓がつながっている開口は、RCの方の目隠しに。お客様の事務所棟を建てたいという要望を叶えつつ、ポテンシャルを最大に活かした設計です。
「敷地のポテンシャルや、周りの環境をどう読み解くとか、RCを入れたりとか。こういった提案をよくしている」とのこと。基本的には、最初にある程度外観と内観のテイストを提案。その提案するにあたっては、お客様の要望を聞きつつも、聞きすぎないように気をつけているそうです。
工務店の仕事以外に、ショップやカフェも展開しているBdHOMEですが、キャンプ場を始めたことにより宿泊業にも興味が出てきたそう。「ホテルほどではないけれど、そこから人が多く自分たちが地域にできることで、デザインを取り入れながら市街地でコミュニティ広げていきたい」と考えているそうです。
家づくりを考えている人は、BdHOMEの相談会や見学会、あるいはショップに足を運んで雰囲気を感じてみてはいかがでしょうか。
BdHOMEの作品集「TIME AND THINK」をプレゼント
BdHOMEがこれまでに手がけた住宅の一部を作品集のようなデザインの冊子としてまとめました。家づくりのアイディアになることはもちろん眺めるだけでも楽しい一冊です。今回はその作品集「TIME AND THINK」を限定100名にプレゼントします。