アアルトのデザイン思想を体感できるフィンランドの家具ブランド「artek(アルテック)」の旗艦店

アルヴァ・アアルトが設計したフィンランド最大の書店「アカデミア書店」の隣には、アアルトや妻アイノ・アアルトら4人によって設立されたフィンランドの家具ブランド「artek(アルテック)」の旗艦店があります。アートとテクノロジーの融合、モダニズムに基づくデザイン思想から生み出された家具の数々は、いまも世界中で愛されています。

アアルトらが設立した家具ブランド「アルテック」の旗艦店

アルテックがヘルシンキ中心部に直営店をオープンしたのは、会社設立の翌年に当たる1936年のこと。創立者のひとりであるニルス=グスタフ・ハールが、「われわれは新しい暮らしの概念を発信していくセンターとなる」と宣言。アルテックストアは自社製品の販売だけでなく、定期的に展覧会などを開き、モダニズムの価値観を人々に伝えていく場として機能しています。

アアルトらしい北欧デザインを堪能できる空間

このアルテックストアの店内は、見渡す限りアアルトらしいフィンランドの北欧デザインが所せましと並びます。「スツール60」や「ティートローリー」などの代表作もディスプレイされています。

アカデミア書店内にあるカフェ・アアルトでも使われていた照明「ゴールデンベル」や一人掛けソファ「アームチェア・タンク」など家具から小物までアアルトの作品が並びます。

アアルトの作品のほか、イサム・ノグチの家具や照明も展示されているものの、彼のモダンかつ独特な造形もフィンランドらしいテキスタイルデザインのファブリックや丸みのある木を材として用いることであたたかみのある印象に。

2階に上がるとより生活に密着したインテリアにスタイリングされています。アアルトたちがデザインしたアルテックの家具は、緩やかな曲線を使った造形と木を用いたナチュラルな雰囲気が魅力で、居心地の良い空間を構成します。

ところどころに散らばる日本を感じるデザイン

フィンランドのデザインを見るとやわらかな色使いや木を基調としており、どこか日本らしさがあり親近感を感じられますが、それはフィンランド人にとっても一緒なのだそう。そんな日本の雰囲気を纏ったアイテムは家具や空間に限らず、雑貨のコーナーにも見つけることができます。

家具や食器、照明、テキスタイルなど様々なプロダクトを手がけ、世界的に活躍するフィンランド人デザイナー、ハッリ・コスキネンが手掛けた岩手の南部鉄器の他にも、色味や材に日本的なモノづくりが感じられるうつわや雑貨が並びます。見ていて懐かしみを感じるようなデザインが多くありました。

アアルトをはじめ北欧デザインを体感できる空間

日本にも直営的はあるものの、ヘルシンキにある「アルテック」の旗艦店は、アアルトやフィンランドの北欧デザインをプロダクトに限らず空間からも理解できるのでおすすめです。家具屋さんではあるものの、小物をお土産として購入したり、アアルトのデザインした家具のミュージアムとして見て回るだけでも楽しめるので、ぜひ一度訪れてみてください。

Artek Helsinki – アルテック・ヘルシンキ

営業時間:11:00~18:00
定休日:日曜日
URL : https://www.artek.fi/en/
住所:Keskuskatu 1 B, 00100 Helsinki, Finland