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シアトルにあるフランク・O・ゲーリーによる「MoPOP ポップカルチャー博物館」。

アメリカ・シアトルのシンボル、スペース・ニードルがあるシアトル・センターに、カラフルでうねり立つような外観が一際目を引く建築がある。マイクロソフトをビル・ゲイツとともに立ち上げるなどして大成功したシアトル出身ポール・アレン氏が莫大な資金を投資して、ビルバオ・グッゲンハイム美術館やパリのルイ・ヴィトン財団美術館を設計したフランク・O・ゲーリーがデザインした博物館だ。2000年のオープン当初はポップス&ロック・ミュージックの博物館「Experience Music Project(EMPミュージアム)」として開館し、昨年11月に音楽以外のアメリカのポップカルチャーの展示も加え「MoPOP ポップカルチャー博物館」としてリニューアルオープンした。

うねり立つようなステンレススチールのファサード

スペース・ニードルの麓にあるMoPOPは、うねり立つ複数のヴォリュームが連なり生物のような有機的な形状をしながらステンレススチールの外皮を持ち未来的でダイナミックなファサードだ。

知らずに目の前を通っても一目でゲーリーの建築だということがわかるだろう。

驚くべきことの一つにウェストレイク・センターとシアトル・センターを往復しているモノレールが赤と水色のヴォリュームの間を貫通している。建築からモノレールが飛び出てくるような感じだ。

ぐにゃぐにゃ系の脱構築主義(デコンストラクション)建築

ビルバオ・グッゲンハイム美術館と同じく、ファサードの印象通り内部もぐにゃぐにゃ系の脱構築主義(デコンストラクション)建築になっている。しかも、このMoPOPはカラフル。アメリカの音楽やポップカルチャーの博物館だからだろうか、もちろんデザインとしてはまとまっているが、とにかく派手。

外皮と同じようにステンレススチールでうねるように連なる吹き抜けは、吸い込まれるような感覚になる。ホワイエから各展示室への動線を換気している。

うねりをともなって有機的につながる空間は展示スペースの境界を感じさせない。

ところどころに開いた開口部から入った光やカラフルなライティングがステンレススチールに反射して美しい。外皮と構造がそのまま剥き出しになっているところもあり、ジャンクなスペースが連なっているように荒々しさもある。

アメリカのポップカルチャーをダイナミックに展示

2階に上がると必ず足を止めて見入ってしまうのが、ギターだけで作られたタワー「If VI Was IX」。アメリカ国内だけでなく、アメリカから世界に発信したポップカルチャーをダイナミックに展示している。

企画展として、ロックスターの肖像画や写真が多く展示されている。

出資者であるポール・アレン氏が大の映画好きということもあり、ジュラシック・パークやゴースト・バスターズ、グレムリンなど人気映画の展示がいっぱい。特に日本でもファンが多いスタートレックの展示は、いつも本国アメリカでは家族連れで賑わっている。

 

「MoPOP ポップカルチャー博物館」は、ある意味でビルバオ・グッゲンハイム美術館やパリのルイ・ヴィトン財団美術館よりもアメリカ出身であるフランク・O・ゲーリーらしさを良く表した建築だ。また、アメリカの自由さや大衆性を受け止め、綺麗にまとめようとせずに再構築したような、そんな印象を受けるだろう。

MoPOP (Museum of Pop Culture) – ポップカルチャー博物館

開館時間:10:00~17:00
電話:+1 206-770-2700
URL : https://www.mopop.org
住所:325 5th Ave N, Seattle, WA 98109, USA

大前洋輔

大前洋輔

空間だけでなく色々なモノやコトのデザインをしています。

建築と美味しい食べもの、南の島々を探しによく旅に出ます。