japanarchitecture

横浜・みなとみらいを見渡す「大さん橋」は人工的な地形のような屋上公園が気持ちいい。

幕末以降港町として栄えた横浜には、歴史のある建築物が数多く残っている。そんな横浜の港には、とてもユニークで公園のような存在の建築が存在する。海外への航路のクルーズ船や離島への航路を持つ客船のターミナルとして、2002年にオープンした横浜港大さん橋国際客船ターミナル、通称「大さん橋」だ。

世界41ヵ国から660作品が応募した国際コンペで選ばれたfoa案

1994年に世界41ヵ国から660作品が応募し、当時日本では最大規模となった国際コンペで選ばれたのが、アレハンドロ・ザエラ・ポロ とファッシド・ムサヴィによるfoa案だった。そのデザイン案自体もそうだが、できる限りコンピュータで設計を行う当時としては珍しい設計手法で世界中から注目を集めた。

人工的な地形のような屋上公園

「大さん橋」の最も特徴的なところは、客船ターミナルでありながら屋上が公園として市民や観光客に解放されている点だろう。長さが約480mで幅が約100mと巨大な大さん橋は、床がある場所では壁になったり、ある場所では斜面や階段になったり、あるいはスロープで下の階と繋がって天井になったりと局面が連続して、ダイナミックに空間が変化する。

客船ターミナルの入り口の両脇に、屋上へと向かう長いスロープがある。

現在は、横浜港の象徴的な存在となった大さん橋は、横浜の観光地の一つとなっていて、ターミナルやホールを利用する人以外にも多くの人が訪れる。

奥へ歩いて行くと、屋上の床がダイナミックに起伏して人工的に地形を作ったようなデザインとなっている。高低差をスロープで移動する中には、芝生の部分もあって本当に公園としての存在感がある。ベンチに座って思い思いに過ごす人が大勢いる。

屋上から客船ターミナルのある1階部分には、緩やかに続くスロープでアクセスする。1階から屋上へ登るスロープを見ると、トンネルを抜けるような光の入り方が綺麗。

洞窟のような屋内の大空間

この長いスロープを降りて行くとあるのが、度々色々な催し物が開催されている大さん橋ホールだ。

屋上のプレートが割れて現れたようなホールの入り口。周囲は大きな階段で囲まれていて、ここで屋外ライブなどが行われることもある。

ダイナミックな屋上の下部に位置する旅客ターミナルや大さん橋ホールは、蛇腹状の天井が柱のない大空間を作り出していて、巨大な洞窟のような空間となっている。約2,000㎡もある大さん橋ホールでは、展示会など様々な催し物が開催される。

幾何学が連続する天井がおもしろい。柱など余計な要素がないのでフレキシブルに使うことができる。

 

立体的な造形がダイナミックで、建築というよりもランドスケープに近い印象の「大さん橋」。公園のような屋上は、横浜みなとみらいを見渡すこともでき、晴れている日に訪れると本当に気持ちがいい場所だ。

大さん橋

営業時間 : 9:00~21:30
電話 : 045-211-2304
URL : https://osanbashi.jp
住所 : 神奈川県横浜市中区海岸通1-1-4
アクセス : みなとみらい線「日本大通り」駅徒歩7分

大前洋輔

大前洋輔

空間だけでなく色々なモノやコトのデザインをしています。

建築と美味しい食べもの、南の島々を探しによく旅に出ます。

casa sky

光に、風に、星に、一番近い場所。

屋上をデザインすることで、住まいとライフスタイルに新たな価値が生まれます。