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あの有名建築や話題になったプロジェクトも建築模型も展示されている「建築倉庫ミュージアム」

天王洲アイル近隣で色々な物品の保管事業を展開している「寺田倉庫」が運営する「建築倉庫ミュージアム」。2016年春のオープンから現在でも建築やアート好きの多くの人に好評だ。

建築模型は、建築家や設計事務所の設計のプロセスやプレゼンテーションに欠かせない存在。コンピュータグラフィックスが当たり前になった今でも、3Dプリンターなど最新技術の普及によりさらに発達している。「建築倉庫ミュージアム」は、それらの建築の模型を展示しながら保存するという新しい試みのミュージアム。

収蔵庫そのものがギャラリーに

空調の効いた大きなワンルームに、高い天井まで連なった収納棚にずらりと建築模型が並ぶ。広さ約450 ㎡、天高5mの空間に約100個の建築模型が展示・保管されている。一般の建築の展覧会ではゆったりとしたスペースに配置しているが、このように多くの建築模型が一部屋に並んでいる様は斬新で興奮する。

大小、スケールや素材も様々な建築模型があり、倉庫をそのまま歩いている感覚がおもしろい。

公共建築から名作住宅まで様々な建築模型

入ってすぐのところには隈研吾氏や版茂氏などの大型の模型が並ぶ。この独特なフォルムの模型は、隈研吾氏の設計で北陸新幹線開業に合わせて昨年オープンした飯山市文化交流館なちゅら。

若手建築家の中でも大注目の中村拓志氏が主宰するNAP建築設計事務所が設計したダンシング・ツリー・シンギング・バード(Dancing trees,Singing birds)の模型は、コンセプトと実際の建ち方がよくわかる。実物や写真以上に可愛らしい気がする。

2015年秋から2016年はじめまで、21_21 DESIGN SIGHTで開催された「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」の際に、建築家田根剛氏の事務所が制作したフランク・O・ゲーリーの自邸もある。マテリアルまで再現されていて迫力がある。

建築家や設計事務所の設計のプロセスがわかる模型

この建築倉庫ミュージアムには、竣工した状態の模型ばかりではなく、スタディ模型も展示されている。スタディ模型とは、設計段階でデザインや構造などを検討するために作る模型のことで、設計のプロセスがよくわかる。

藤本壮介氏の昨年のHOUSE VISIONでの賃貸空間タワーのスタディ模型。採用されなかった案も含めて、建築家の頭の中を覗くことができておもしろい。

実現しなかったプロジェクトも模型

ここには実際に建設されたプロジェクトだけでなく、様々な理由で実現されず幻に終わったプロジェクトの模型も数多く展示している。写真の邑楽町役場庁舎は、山本理顕氏による細いスティール角パイプのユニットで組み上がるデザインで、町民とのワークショップで具体的な使い方を決定していくプロジェクトだった。だが、町長選挙によって選ばれた新町長が山本理顕氏の案を破棄し、コンペとは関係なく別の設計者を選定したことで実現されなかった。

曲面の壁がダイナミックな小田原城下町ホールも、山本理顕氏がコンペで勝ち取り話題になったプロジェクトだが、市民の反対運動によって頓挫してしまった。唯一この模型だけが、幻のプロジェクトを体験させてくれる。

他にもユニークな模型がいっぱい

他にもユニークな模型が数多く展示されているのが、建築倉庫ミュージアム。家具やプロダクトの模型や写真のような、純粋な形態の検討模型などアートに見えるような模型もある。

鈴木了二氏のドローイングと模型がセットになった金色の衝立は、アーティスティックで迫力も凄い。

 

ところどころ収納棚が空いていて「貸出中」のプレートが置いてあった。恐らく展覧会か何かに出展のためだろう。これも、価値ある模型である証拠だ。

建築模型は今後も増えていくことになるらしく、時間が経ったら再度訪ねても楽しそうだ。今話題のプロジェクトなどおもしろい模型が増えていくことに期待が膨らむ。

建築倉庫ミュージアム

URL : https://archi-depot.com
開館時間 : 11:00-21:00
休館日 : 月曜日
入館料:一般1,000円/高校生以下及び18歳未満500円(税込)
住所 : 東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1F

#casa 編集部

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