未来を担う東京工芸大学・空間デザイン研究室学生によるの自由な発想と自由な空間で「暮らし方を考える」

東京工芸大学の空間デザイン研究室学生による「暮らし方を考える」という授業に、家造りのプロからの目線として、カーサ・プロジェクト代表の眞木健一氏が、作品の講評をおこなった。

【眞木健一】1967年福岡県生まれ。地元の高校を卒業後、アメリカの大学に留学。20代前半から工務店の仕事に取り組みながら、世界の住宅の性能を学び、日本の匠たちの職人技を大切に守る「遺す家」に取り組んでいる。『新築を超える中古マンションリフォーム』(書肆侃侃房)、『住宅革命』(WAVE出版)など著書多数。最新刊は2016年2月出版の『More Better Life 豊かに暮らすということ』(書肆侃侃房)。

ライフスタイルから家族構成まで住まう人の「暮らしを考える」。

空間デザインに興味・関心を持ってもらうために行われたこの課題は、「9坪の空間」をプロダクト的に住宅を捉え、「暮らし方を考える」をテーマに空間デザインの基本技術(構成力、スケール感、図面化、他)修得に努めながら、内部空間のプランニング・デザインを縮尺模型を使って発表される。

課題には9坪というスペースだけでなく、家族構成や住まう人のライフスタイル、嗜好、周辺環境といった観点を加味したコンセプトに合ったデザイン設計が求められる。

“9坪 ”という狭小スペースをプランニングからプレゼンテーション。

今回の題材の9坪という理由には、2002年にグッドデザイン賞の金賞を受賞したブーフーウー株式会社が展開する最小限住宅「9坪ハウス」がベースとなっている。

《 9坪ハウスデザインの5原則 》

①平面は正方形(3間×3間 1間=約1.8m)のプラン
②3坪の吹き抜けを儲ける
③外形は14.8尺(約4.5mの切妻屋根)
④丸柱を使う
⑤メインファサードには開口部を設ける

上記の5原則を引き継ぎながら、学生たちが思い思いの空間をデザインしてゆくのが今回の課題の狙いだ。広々とした吹き抜けと明るい空間、フレキシブな間取り、狭い空間で広さを確保し、部材を選び、環境や住まう人の趣向をデザインし実際にプレゼンテーションをするという実戦的な授業内容になっている。「9坪・九間は、日本人が心地よいと感じる空間なんですよ」と眞木氏。

学生ならではのユニークな発想と自由な構成。

作品には、ボルタリングやバーベキューができる「アウトドアハウス」や家族全員がゲーム好きという設定の「ゲームハウス」、壁一面を落書きできる「落書きをしても怒られない家」など学生ならではの自由な発想と、思い思いの空間が表現されていた。

眞木氏からは、「この材料はどうして選んだの?ここに柱って邪魔ではなかった?」など、プロの目線から学生たちに質問が投げかけられた。また、空間造り以外にもプレゼンテーションの重要性など、実社会で必要なスキルを学生たちに伝える場面も見られた。

 

今回の家造りのプロからの的確な助言や指摘は、学生達が現在学んでいることが実社会でどう役立つのか理解を高める講評となった。「暮らしを考えながら空間をデザインする」ことに、更に現実性を高めた未来の担い手達の今後が楽しみだ。