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レム・コールハースとOMAがミラノにあるプラダの美術館をデザイン!「プラダ財団美術館」

プラダ財団が2015年にオープンさせた、ミラノ南部のラルゴ・イザルコにある「プラダ財団美術館」はレム・コールハース率いるOMAによる設計。この美術館は1910年代に建てられた蒸留所を増改築、コンバージョンして作られた。

オープン以来、常設展だけでなく色々な企画展を開催。企画展以外の敷地内は入場無料で、一般の市民にも開かれた美術館である。

「保存」と「創造」の共存・相互作用がコンセプト

7つの既存の建物に「ポディウム」「シネマ」「タワー」の新しく作られた建築を組み合わせている。新しい建物が既存の建物と連結した構造になっていることもあり、蒸留所の建築を保存しながら相互に作用し創造の場が作られた。「保存」と「創造」の共存・相互作用がコンセプトになっている。

新旧それぞれの棟には固有の名前が付いていて、「Torre(タワー)」など未だに建築中の建物もありまだまだ成長中だ。

多彩な建築物とOMAらしい素材使い

1万9000㎡の広大な敷地を取り囲むように既存の建築物があり、その中央に2つの新しい棟と奥には「タワー」が配置してある。「ポディウム」「シネマ」「タワー」のデザインはそれぞれ形体も素材使い、カラーもバラバラで、既存の建築物も合わせてパッチワークのようだ。写真背後のある建築中の「タワー」、完成したらひときわ目立つだろう。

「ポディウム」の2階部分に昇る階段の手すりには、工事中に貼るネットの素材を使ったり、壁面を樹脂でできた合板を使ったりとチープなものでもデザインに取り入れるところはいかにもOMAらしい。

「シネマ」の壁面は鏡張りで目の前の広場と「ポディウム」を映し出す。石造りの蒸溜所もあれば、鉄やアルミ、ガラスなど近代的な素材の空間もある様は賑やかで一つの街を形成しているようにも感じる。パッチワーク的であるその手法はダイナミックに更新される新しい都市のようでもある。

この部分は大きく開閉することができ、広場と合わせて屋外に向けてライブや演劇などの使い方が可能だ。

一際目立つ金色に塗られた「ホーンテッドハウス」は、レム・コールハース曰く敷地全体を際立たせ、周辺環境にも大きく影響を与えるのだという。徹底された金色の質感はなかなかおもしろい。

米国人映画監督ウェス・アンダーソンによるデザインのカフェなど見所は多い

現代的なデザインの中にヴォールト天井やアーチ型開口部などがあり、ミラノの街に見られる伝統的な様式を踏襲し調和させていた。

「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「グランド・ブタペストホテル」で知られるアメリカ人映画監督のウェス・アンダーソンがデザインしたバール「BAR LUCE」は、昔の映画に出てくるミラノのカフェをイメージして作られている。フォトジェニックで映画のセットのようだ。

既存の建物のインテリアも素材使い、照明などさりげなくデザインされている。

 

「プラダ財団美術館」は、世界各国に作られているレム・コールハース率いるOMAデザインのプラダ・ストア、またプラダがミラノのあちこちで展示してきた美術コレクションの集大成の位置付け。

近年「CCTV」や「AIAタワー」など、アジアで常に新しいものを生み出すことを求められるレム・コールハースがデザインする「プラダ財団美術館」は、「保存」と「創造」の共存というのは全く新しい意味があるように思う。

プラダ財団美術館 – Fondazione Prada

開館時間 : 10:00~20:00
休館日 : 火曜日
URL : http://fondazioneprada.org
住所 : Largo Isarco, 2, 20139 Milano, Italy
行き方 : メトロM3線「Lodi T.i.b.b.」駅から徒歩15分

#casa 編集部

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