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ミラノサローネ2017でnendoと佐藤オオキの11個の新作と個展「invisible outlines(見えない輪郭)」

吉岡徳仁と並んで今最も旬なデザイナーと言えるのが、「nendo」とその主宰の「佐藤オオキ」だ。今やJ-waveでラジオ番組を持つなど、デザイン業界だけでなく一般の人たちにも認知されている数少ないデザイナーの一人になった。ミラノサローネがきっかけで世界に飛び出したnendoと佐藤オオキは毎年何かしら出展し、今年は11の新作とともに個展「invisible outlines(見えない輪郭)」をJil Sander(ジル・サンダー)のショールームで大規模に開催した。

人間が無意識のうちに捉えている輪郭がコンセプト

私たち人間が生活の中で無意識のうちに捉えているものの「輪郭」を捉え、作品として定着させ、その見え方や効果、作用を検証している。抽象的な作品でありながらどこか見覚えのあるものに見えてくるのは、それが普段から目にするものの「輪郭」だからだろう。

これは本を開いたり、重ねたりしたときの輪郭を表現している。モノの状態から輪郭が立ち現れるように、輪郭からモノは感じ取れるのか検証しているように思った。

くらげが柔らかく揺れているように見える花瓶「jellyfish vase」

超極薄の透明なシリコンを使ったjellyfish vaseは、そのまま「jellyfish(くらげ)」モチーフにした動きは愛嬌たっぷりで可愛らしい。水槽の中に並んだその「jellyfish(くらげ)」の花瓶が集合し、柔らかくゆらゆらと揺れている世界観はファンタジーの世界に迷い込んでしまったような気にさせてくれる。

切り出した面材の輪郭が重なり合う「80 sheets of mountains」

「80 sheets of mountains」は切り出した面材を引き伸ばして重なり合うように配置したインスタレーション。ススキなどの植物が生えているような感じで、その間を自由に行き来することができ、間仕切りの向こう側の風景の見え方が変わったり、人の気配を感じられたりとおもしろさがある。

各所にnendoデザインのプロダクトが配置され、それを探し出すように歩き回ることになるので宝探しのように童心に返ったような感覚になる。

図面に書き込むような可動域を表したインスタレーション

奥に進むと収納家具の開閉扉や引き戸の可動域を表現したインスタレーションがあった。家具やインテリアなどのデザイナーにとっては図面がそのまま立体化したような形態で興味深く感じられると思う。

「Jil Sander」をはじめ有名企業とのコラボレーション作品

テキスタイルを使ってジルサンダーのクリエイティブチームがファッションアイテムを作るという「Jil Sander」とのコラボレーションプロジェクト。3次元を一度2次元に変換し、ふたたび3次元化することで生まれたデザイン。

張り巡らされた糸によるチェック柄、浮遊する82個の円錐の奥行きが表現するドット柄、キューブの集合体の陰影によるグリッド柄、透明アクリル板のフロストとクリアの仕上げの違いとその重なりによって生まれる迷彩柄、林立する板状の柱が生み出すストライプ柄など。

Jil Sander(ジル・サンダー)だけでなく、数多くの企業とコラボレーションした作品が展示されていた。これまでマリオ・ボッタやアルベルト・メダなどと協働してきたイタリアの家具ブランド・Alias(アリアス)とのコラボレーション作品。

これもイタリアの照明ブランドFLOS(フロス)とのコラボレーション作品で新作のプロダクトがさりげなく飾られていた。

 

ミニマルな中に独特な世界観を表現したnendoと佐藤オオキの作品は、やり尽くされたデザインの中にも彼らしか気づかない余白を教えてくれる。彼らのデザインは年々拡大し影響力が強くなっていて、去年から今年も進化が見られたように来年のミラノサローネもまた楽しみだ。

#casa 編集部

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