ドイツ・ビルシュタイン社の「evoltz(エヴォルツ)」が担う、「制振」という地震対策。

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「evoltz(エヴォルツ)」とは木造住宅用制振装置のことで、千博産業が企画・開発し、製造をドイツのビルシュタイン社に委託して誕生した油圧式の装置だ。

この「evoltz(エヴォルツ)」を採用した住宅を建てた、愛知県碧南市の中村さん宅におじゃました。

これからの時代は「制振」という考え方が重要

今の時代、住宅が高い次元で耐震性能を有するのはあたりまえ。

これからの時代はそこに「制振」という概念が組み込まれることが主流になるかもしれない。ここで言う「制振」とは、「地震によって起こる振動エネルギーを吸収し、建物の揺れを小さく抑え衝撃をやわらげる」こと。

建物の損傷が軽減され、本震はもちろん、繰り返し起きる余震の対策にもなるのが、「制振」という考え方。こうした制振の能力を、住宅に供える役目をはたすのが、今回の「evoltz(エヴォルツ)」という制振装置なのだ。

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「主人が兵庫県出身で阪神大震災を小さい時に経験していたこともあり、家をつくる際には、地震に対する意識はけっこう高かったと思います」と語るのは奥さまの中村里奈さん。中村家は、ご主人の亮太さん、妻の里奈さん、愛娘の日那乃ちゃんの三人家族で、そのみなさんが「制振」ひいては、「evoltz(エヴォルツ)」を知ることにいたった経緯は、とある体験会だったという。

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「最初は知らなかったんです。ですが、家を建ててくださる工務店さんのほうで“制震体験”のイベントをやっているとうかがって、ちょっと覗いてみようかなぐらいの気持ちで参加してみました。そこではちょっとした地震の疑似体験ができるセットが組まれていて、簡単に言うと、evoltz(エヴォルツ)が設置されている場合とそうでない場合を体験したんです。すると、もちろんですが(笑)、evoltz(エヴォルツ)が設置されているほうが、あからさまに揺れがすくないのを体感できました。じつははじめは半信半疑でしたが、体感したあとでは、“これは私たちの家にも付けなくちゃ!”と、素直に思いました。」

耐震や制振を数値で語るのも大事だけれど、もしかしたら里奈さんがおっしゃるように「体感」するのがいちばん理解してもらいやすいのかもしれない。

家族にも、建物にも、“やさしい環境”を

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中村さん宅を手がけたのは、愛知県高浜市にある工務店、株式会社シンカ。そこで専務取締役を務める畠孝二郎さんは、「evoltz」をこんなふうに語った。

「耐震というのはもはや当たり前で、揺れを制するという“制振”の考え方が、これからの家づくりには大切なキーワードのひとつだと思います。一度の地震だけでなく、繰り返しくる震度4や5の余震を吸収する家をつくることが、その家で暮らすご家族のみなさんにも、そして建物に対しても“やさしい環境”ということになるのではないでしょうか。私たち地域工務店の責務というのは、地域で暮らすお客様の安心、安全を守っていくのが何よりの務めだと思います。そうしたなかで耐震のみならず制震、このevoltz(エヴォルツ)のような装置をきちんと説明し、提案していくということもまた、われわれの責務のひとつであると考えています。」

 

東日本大震災や熊本地震などがあり地震活動が活発化してると言われているため、地震に対しての備えが再注目されている中で、「evoltz(エヴォルツ)」の“制振”の考え方は重要な一つの選択肢だ。